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【記者コラム】山中秀将 復活へ気持ちも新た

 競輪はレース用の細いタイヤで、しかも接触の可能性が高い多人数で、ハイスピードの中、行われる。落車の危険は常に隣り合わせ。落車によるケガで大きく成績を落とす選手も多い。開催中の四日市FⅠ(14~16日)に参加中の山中秀将(35・千葉)もその一人だ。

 好調時はスピード感あふれる捲りを武器に、ビッグレースで活躍していたが、落車の影響もあり、本来の切れのある動きは影を潜めている。昨年後半は7月の落車による左肩のケガで長期欠場。復帰は今年1月の和歌山記念からだった。そのシリーズこそ〝負け戦〟で2勝を挙げたが、以後は予選も突破できない不本意なレースが続いた。

 復帰して7場所目となる四日市は17年に記念初Vを飾った思い出のバンク。復活へ期するものがあった。初日は同県で同期の矢口大樹をマークしての走り。矢口が果敢に主導権を握り、最後は自ら踏み込み1着。

 「矢口とはアマチュアの時からで、プロになってからも飲みにいったりと一番長い付き合いなんです。初めての連係で1着が取れて良かった。寒さもあって体は動きにくかったですが、暖かくなって少しずつ良くなっています」

 予選突破にホッとした表情を見せる。記念で勝った時のことを覚えていてくれたファンの応援にも感謝していた。もちろん完全復活までの道のりが厳しいのは自身が一番わかっている。

 「気持ちの中ではあきらめそうになった時もありました。それでもこのレースでもう1回頑張ろうという気持ちが強くなりました」 課題を一歩ずつクリアして、もう一度、ビッグレースで走る姿が待ち遠しい。(緒方 泰士)

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