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【記者コラム】山田英明 縦横無尽の活躍

 グランプリに向けた争いも佳境を迎える。残るGⅠは競輪祭(21~26日・小倉)のみ。今年GⅠ3Vの古性優作を筆頭に、ダービー王・山口拳矢、オールスター覇者の真杉匠はGPは当確。賞金1億円超えの佐藤慎太郎と、ウィナーズカップ、サマーナイトを優勝した松浦悠士の出場も有力だ。共同通信社杯で9年ぶりの特別Vを果たした深谷知広にも注目したいところ。GP出場ボーダー付近には王者・脇本雄太をはじめ、新山響平、新田祐大、犬伏湧也、郡司浩平、守沢太志などビッグネームがズラリ。賞金争いが激化する中、九州屈指の実力派である山田英明も目を光らせている。

 今月松阪ではタテヨコ、ワイドな攻めで圧倒的な存在感を見せた。初日特選では谷口遼平の後ろにも行ける番組だったが、岩津裕介を背に自分で組み立てることを決意。「谷口君は魅力的。ただ、今後の岩津さんとの連係を考えると、(谷口に付けた場合)岩津さんが3番手になってしまうので」と西日本ラインの絆を重視。3コーナーから鋭い捲りを決めて別線を蹴散らした。続く準決は3分戦に。別線はいずれも番手捲り可能な布陣。関東勢が叩いて、ペースを緩めた一瞬の隙を逃さずに、打鐘4コーナーからロングスパートを決めて決勝進出を決めた。「別線が自力、自力で並んでいて人任せにしたら後手に回ると思ったので、要所で前々に踏んだ」と迷いなき運びで総合力の高さを示した。

 迎えた決勝では三たび自分で組み立てることに。別線の関東勢は中嶋宣成―朝倉智仁―久木原洋の並びで3段駆けも可能な布陣になったが、スタートで前を取ると中嶋が叩いたところをすかさず飛び付いた。機敏に朝倉をさばき番手を奪うと鋭く抜け出して優勝。近況は自力の決まり手こそ減っていたが、鋭いタテ脚は健在だ。縦横無尽の活躍で脚力の違いを示した3日間となった。競輪祭でも鋭いタテヨコの動きを駆使して、GⅠ初Vを目指す。(栗林 幸太郎)

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