
3月23日に幕を閉じたGⅡの伊東ウィナーズカップは連日、見応えのあるレースが多かった。
特に決勝戦、優勝を飾った古性優作の走りにはまさに〝神業〟に近い境地だ。目標にした寺崎浩平が叩き切れず、番手の外並走で粘る。自身も同じような態勢でじっと我慢。後方から強烈に捲って出た真杉匠に瞬時に反応。一発のブロックで勢いを止めた。そこから直線で逃げる新山響平を、一気に追い込み勝利を飾った。
さすがチャンピオンユニホームをまとう真の王者だ。これで獲得賞金は1位。今後のビッグ戦線も主役としてリードしていくのは間違いない。
そのウィナーズカップで目立っていた一人が山田諒(26=岐阜・113期、写真)だ。今までのビッグレースでは負け戦で勝ち星があるものの、結果が出なかった。それがビッグ初の準決へ進出した。その準決は単騎戦で5着に終わったが、二次予選は深谷知広を差し切る金星。追い上げマークの形となったが、トップクラスの実力者を破ったのは自信になったはず。
「たまたまです。でも深谷(知広)さんをかわせたのは自信になりました」
最終日は脇本雄太にマークするメンバー構成。8番手から9秒3で強烈に捲った脇本に何とか付いていったが3着。
「ちぎれなかったが、3コーナーの上りでいっぱい。加速度が違います」と超一流のスピードを体感。次の一線級との対戦はGⅠでも最高峰となる日本選手権(4月29日~5月4日、名古屋)になる。
昨日終了した地元の大垣FⅠ戦の決勝は早めの先行で捲られ大敗したが、状態は問題ない。
「点数も上げていきたい」とさらにパワーアップして高みを目指す。(下野 章雄)