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【記者コラム】師と元練習仲間が語る北井の強さの秘訣

 何でそんなに強いの!?元Jリーガー・北井佑季(33=神奈川・119期)の躍進が止まらない。GⅠ初参戦となった2月の全日本選抜でいきなり1着。そこからビッグレースに定着すると、今月の向日町記念ではS班・佐藤慎太郎を振り切り記念を制した。一気にスターダムを駆け上がり、まさにオーバーラップの活躍を見せている。そんな北井の強さの秘訣(ひけつ)とは。ある2人から証言を得た。

 まずは、師匠の高木隆弘(54=神奈川・64期)。「強くなる感じは全くなかった」と弟子入り当初の北井を思い出す。サッカー選手らしい細さがあり、現在の筋骨隆々な姿とは違ったという。なおさらのこと、なぜここまで強くなったのか。「素直で柔軟性があった。器用ではないけど、言ったことをすぐ聞き入れてできる」と強調。練習、食事から全て師匠のアドバイス通りにこなす、実直さが競輪選手としての礎を築いた。

 もう一人、北井について教えてくれたのは高木真備さん(106期=引退)。同じく高木隆弘に指導を受け、21年にガールズGPを制した元練習仲間だ。「佑季さんはとにかく練習量が凄かった。高木(隆弘)さんの練習はキツ過ぎて、アマチュアは辞めたり、逃げ出す人もいる。それでも佑季さんは覚悟があってやり切った。練習量は私が見た中で一番」とうなずく。北井にとって競輪選手はセカンドキャリア。人生を懸けた断固たる覚悟から、練習に妥協はなし。体に染みこませる、圧倒的な練習量が成長につながった。

 次はビッグレースでのVゴールへ。向日町記念の勝利者インタビューで北井は「今後はもっと大きいレースでも優勝争いに加われるように頑張りたい」と宣言した。明日、14日に青森で開幕する共同通信社杯。大暴れに期待せずにはいられない。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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