向日町競輪の開設74周年記念「平安賞(GⅢ)」は再整備前としては最後の本場開催だった。最終日の8日は昨年の記念より多くのファンが来場して、活気に満ちあふれていた。場内はさまざまなイベントが行われていて、中でも多くの人が集まっていたのが村上義弘氏、内林久徳氏、市田佳寿浩氏による近畿レジェンドによるトークショーだった。村上氏は決勝進出を決めた窓場千加頼について「壁にぶちあたって、腐りかけて追い込み宣言をしたこともあったけど、強くなった。脇本と同乗しても力勝負で行くと宣言したのは成長」と後輩の急成長に目を細めていた。決勝は近畿別線勝負となって脇本が捲って優勝。地元の窓場は⅛輪及ばず2着で終わった。
さて、今後の向日町競輪はどうなるのか。開催が休止している間も場外発売は引き続き行われる。バンクは来年の国民スポーツ大会の自転車競技で使用され、その後に解体する予定となっている。28年度には収容人数8000人以上の大型アリーナが建設され、競輪場はさらに1年後の29年度に再開する計画となっている。向日町の施行者である京都府の開催については10月1~3日のFⅠ「ムコリンムッチー賞」から来年の3月までは松阪競輪を借り上げて行うことが決まっている。そして来年度の「平安賞(GⅢ)」は9月25~28日に奈良競輪で開催することが発表されている。
1950年に開設されて今年が74年目。20年以上取材させてもらった場所だけに、多くの思い出が詰まっている。まだまだ先の話ではあるが、ガラッと生まれ変わり、明るい未来しか見えてこない。5年後の再開が待ち遠しい。