競輪界最大のイベント「グランプリ」が明日に迫った。関東勢の勢い、ライン3車の有利で、平原康多が出場12回目にして悲願のVを飾る確率は高いとみる。もう一人注目したいのが単騎の古性優作だ。抜群のバランス感覚に加え、熱い勝負根性を持ってすれば、少しでもコースが空けば突っ込んでいく。ゴール前は際どく迫る。平原から古性を本線に今年最後の勝負と決めている。
新年へ向けての動きも始まっている。17日には117期の寺崎浩平、菊池岳仁に続き、男子121回生で中野慎詞(22=岩手)、太田海也(22=岡山)の早期卒業が決まった。同じ県の先輩選手に話を聞くと「めちゃくちゃ強い」と何人もが話す。1月にチャレンジでデビューするが、一気に18連勝でS級特進を決めてしまいそうな逸材だ。
犬伏湧也、吉田有希らが強いと評判の119期勢も追われる立場になる。2人はすでにS級でVがあり、119期を引っ張っているが負けない潜在能力を持つのが志田龍星(24=岐阜、写真)だ。S級特進こそ逃しているが、競技ルールのPIST6で2回のVを決めるなどスピードは折り紙付き。20日からの高知では、S級で犬伏が初Vを決める中、A級で3連勝。1月4日からの四日市でS級特進がかかる。「もちろん特進ができればいいですが、まだまだ課題はあるのでしっかり力を付けていきたい」と話す。近年、中部地区は強い若手選手が不在で苦戦が続いていたが、GⅡ覇者の山口拳矢に、志田が加われば好勝負は必至。新年は中部地区を引っ張っていく活躍が期待される。(緒方 泰士)