今年デビューを果たした119期生は早くも頭角表している。吉田有希、上野雅彦は、いずれも本格デビューから18連勝を果たしてS級に特進を果たした。他にも在所1位で、パワーとスピードには定評のある犬伏湧也など、ダイヤモンドの原石が豊富だ。
積極的な仕掛けで売り出し中の木村佑来=写真=も期待の逸材だ。本格デビューの7月京王閣から9連勝を達成してA級2班に特進。その後もきっぷのいい攻めを身上に、存在をアピールしている。「積極的に動けていますね。今のうちは先行して、しっかり自分の力を出し切ることを考えている。やっていく内に今後、戦法の幅も広がっていくと思うので」と先を見据えつつ、現在はパワーに磨きをかけて着実に地固めをしている。阿部拓真に師事して練習環境も充実。「普段は師匠や荻原(尚人)さんたちと練習させてもらっています。S級選手特有の強さを肌で感じている」とトップ戦線に身を置く猛者たちに揉まれ、一歩ずつ成長しているのも感じとれる。
9月青森で行われたルーキーシリーズプラスでは、同期のライバルたちと激突した。結果は4着で、捲って圧倒した犬伏が勝利。「青森で犬伏さんと走って、(自分とは)全然違いましたね」と力の差を実感した。「上野君や吉田君も養成所の時より強くなっていると思う」と同期の活躍を目の当たりにして改めて自分を見つめ直す。相手の強さを認めてこそ人は成長できるもの。充実した環境で、向上心も豊富な若獅子。ダッシュ力には長けたものがあり、持久力と末の粘り腰の強化さえなればさらなる飛躍も十分。ライバルたちの背中を追いかけ、ひたむきに成長を続けていく。
【記者コラム】成長を続ける木村佑来
2021/10/27