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【記者コラム】日高裕太 南関のニューヒーロー

 最も新鋭の121期は強いと評判だった。しかし現在、S級に在籍しているのは太田海也と中野慎詞の2人にとどまっている。両者ともに競輪選手養成所を早期卒業してナショナルチームに所属するスーパーエリートだ。他の121期の上位選手はS級特進に惜しいところまでは行くが、チャンスをつかみ切れていない。

 20日から22日まで行われた松山競輪スポニチ杯のA級戦には6連勝中で、このシリーズにS級特進をかける日高裕太(20=静岡、写真)が参戦した。前検日には「ずっと準備してきたので気負わずに。それでも狙っていきたいです」と静かに気合を込める。初日、準決勝は余裕の逃げ切りを決めて、特進へリーチをかけた。勝負の決勝戦は6番手に構え最終1センターから踏み込み豪快に前団をとらえV。121期3人目のS級特進を決めた。昨年7月には本格デビュー2場所目に早期追い抜きで失格。配分が4カ月止まるピンチがあった中で、うれしさは格別だった。

 デビュー前から刺激を受ける選手がいる。121期をトップで引っ張る太田海也だ。「養成所では同班でした。自分は運動神経に自信があって、どんなスポーツでも勝てると思っていました。でもあの人は別格です。身体能力の高さがズバぬけています。ほんと〝化け物〟です」と、世界の舞台で戦う太田の強さを体感してきた。ナショナルチームで伊豆に来た時などはアドバイスをもらっている。今後は太田、中野が自転車競技で競輪から離れるので121期を代表しての活躍が期待される。「今はタテ脚一本ですが、将来的にはいろんな戦法に対応できるように」と意気込む。南関東地区を引っ張るスター候補の走りに注目だ。(緒方 泰士)

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