レース内容を反省して涙を流すポーズ?の吉田有希
兄弟で活躍した競輪選手は多い。現在も村上義弘&博幸に山田英明&庸平、脇本雄太&勇希らがトップグループで活躍している。彼らに続く勢いなのが茨城の吉田兄弟だ。関東を代表する自力型で、グランプリ出場をうかがう吉田拓矢に111期の昌司、そして119期の有希が加わり、3兄弟となった。
有希は7月に本格デビューしてチャレンジ、A級を18連勝で突破。9月宇都宮で119期一番乗りのS級特進を決めた。S級初戦の10月青森FⅠ準決勝では、GⅡを制し勢いMAXの山口拳矢を破る大金星を挙げて注目を集める。決勝戦では新山響平に捲られたが、S級上位選手相手にも通用するパワーを披露した。
2戦目は16日からの福井FⅠ戦。前検日は初対面だったので、メンバー表を見せて話を聞こうとすると、質問の前にS級デビュー戦のこと、拓矢、昌司の兄のこと、マシンガンのようにトークが飛び出す。拓矢はどちらかと言えば寡黙な印象が強いのでビックリだ。ただ有希によると「昌司の方がもっと凄いです。あの笑いの切れにはかないません。ボクの理想は拓矢の強さに、昌司のトークです」と笑顔。
もちろんレースでも大物ぶりを発揮した。初日、準決勝ともに先行でマークの選手を完封。決勝戦では主導権を握り、和田真久留の捲りを許さず、後ろの茨城の先輩・芦沢大輔、杉森輝大がワンツーで自身も3着に逃げ粘る活躍だった。
レースを離れての存在感もプロとしては大事。兄弟で切磋琢磨(せっさたくま)して、ビッグレースで兄弟連係を実現する日は近い。(緒方 泰士)