ルーキーシリーズを経て7月に本格的デビューをした男子117期生、女子118期生。男子は早期卒業者(1月デビュー)寺崎浩平、山口拳矢がS級のステージで戦っている。他の同期勢も各地で活躍しているが、対照的にガールズの方はやや影が薄い。卒記チャンプの尾方真生は4V(ルーキーシリーズ2020は除く)を飾っているが、在校順位1位の永塚祐子は本格的デビューしてからはまだ優勝に届いていない。ガールズは年々、レベルが高くなっている。その一方で、経験値の差は隠せないのか。
そんな中で先日の和歌山競輪FⅠガールズ(16~18日)で、118期の永礼美瑠(ながれみる、20・愛知)=写真=が3連勝で初優勝を決めた。ゴール後はガッツポーズ。喜びを爆発させた。その節は追加配分だったが、前検日には「(次の)配分が空いていたんで、走れるのはうれしい」と競走が楽しみな様子だった。
予選1は豊岡英子のホームカマシにサッと切り替えて、仕掛け気味に一気に伸び切っての勝利。「冷静に流れを見れたし、反応もできている」と動きの良さを実感した。予選2は捲った鈴木樹里―日野未来に切り替える形。直線で外を強襲しての2連勝だった。「ピンピンで勝ち上がれて自信になりました。決勝も流れに対応して初優勝を狙いたい」。瞳を輝かせた。
決勝は実力的に宮地寧々が最大の強敵となったが、永礼はあくまで自分の競走に徹した。前受けから日野未来の捲りに飛び付き、ゴール前で差し切ってのVゴール。「うれしい気持ちでホッとしているけど、これで満足しないように頑張ります」。
戦法は名前の通り〝ナガレミル〟。流れに沿った攻めで対応できた。小柄(151㌢)な特性を生かした機敏な立ち回りで、今後の活躍を期待したい。 (下野 章雄)
【記者コラム】流れ丸見え!?永礼美瑠 初V
2020/10/21