現代競輪で超重要視されるスタート。昨年12月のコラムでも掘り下げたテーマを、今回はさらに徹底分析。レースを見るのはもちろん、速い人に速い人を紹介してもらい、取材でその自信度も加味し「スタート猛者表」を作成した。

　ＳＳＳランクに位置付けしたのは福永大智。ＳＳランクでナショナルチームのチームスプリント第1走を務めた雨谷一樹が「福永君には敵わない」とお手上げだ。大森慶一も昨年の松戸、小田原記念で前を取りラインに貢献したのは記憶に残っている。ＡＡの森田康嗣も「うちの慶一は速いっすよ」と太鼓判を押した。佐藤健太はスタートにかなり自信を持っている。「あまり負けたことはない。速いって言われる人にも勝っています」と堂々。また、Ｓ、ＡＡランクに位置づけた選手も相当に速いので、覚えておいて損はない。

　華やかな逃げ切り、鮮やかで鋭い捲りに強烈なブロック。どれも興奮させる迫力と魅力がある。ただ、現代競輪は初手が思い通りにいってこそ。最初の駆け引きと、技術が詰まったスタートに注目してほしい。

　◇渡辺　雄人（わたなべ・ゆうと）1995年（平７）６月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年４月入社、20年１月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪１本に。愛犬の名前は「ジャン」。