格清洋介=写真=がまさに覚醒(かくせい)している。A級で今、最も力強い走りを見せていると言っても過言ではない。
7月にS級から降級。直後の小田原、立川は振るわなかったが、降級3場所目にホームバンクの伊東で完全優勝を飾ってから、風向きがフォローになった。9月に弥彦で完全V、今月に入ると和歌山❷①❶、松戸❶①❶で連続優勝。そして10月27日からの地元・伊東でも完全優勝を飾った。
「仕掛けるポイントが早くなった。脚質的に出切ってからの方がいいと思うので。今は体が自然と反応している感じ。以前は構えて失敗するレースが多かったけど、構えて不発より行った方が何とかなるのが分かった」と好調の要因を語った。
さらにハード面での変更も功を奏したようだ。「8月からフレームを換えました。お任せで作ったんですけど合ってたみたい。でも今回からまた換えます。今までとは違うメーカーの物ですけど、同じ感じのフレームです。どんなものかなと」。
新フレームは問題なくフィットした。初日特選は4番手から9秒4の上がりで捲って快勝。「〝ここだ〟というところで行けた。伸びは良かった」と手応えを得ていた。
2日目は前受けから突っ張り先行。1度も前に出させることなく力強く押し切った。「2周半行ったんで重かったけどいい感じで踏めた。あとは粘るだけと。新車は今日も良かったです」と笑顔を見せた。
決勝はホーム5番手から9秒5で捲って3連勝。2場所連続完全優勝となり、次回11月4日からの平塚で特別昇級にチャレンジする。「特に意識はしません。S級に上がる前も7連勝まではいったんですけど」。現在自己最高の8連勝中。壁を突破した格清の走りに注目したい。
◇格清 洋介(かくせい・ようすけ)1994年7月22日生まれ、静岡県出身の30歳。中学は野球、高校では陸上競技部に所属。師匠は梶原亜湖(静岡・73期)。17年に111期生としてデビュー。1㍍83、78㌔。血液型A。
◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年生まれ。愛知県出身の57歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。今年4月に26年ぶりに現場復帰。