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【記者コラム】石川&三谷 熱すぎる同期の絆

 感謝してもしきれない。石川恭規(45=福島)が同期の熱すぎる友情ストーリーを語り出した。

 「三ちゃんは近畿で後輩に厳しいイメージがあるでしょ?でも性格はめっちゃいい奴。あの時のことは忘れません」

 11年3月11日に発生した東日本大震災。被災した石川を真っ先にサポートしたのが93期で同期の「三ちゃん」こと三谷政史(40=奈良)だった。震災直後は物資不足。石川は「三ちゃんが〝欲しい物は何でも送ります〟と言うので必需品をメモ=写真=してお願いしたんです。届いたのは米、懐中電灯、ろうそく、電池。子どもがいたからミルクにおむつ。それに花粉症の薬まで。メモして伝えた以上にたくさん届いた」と思い返す。当時メモした用紙はお守り代わりで「見るたびに〝助けてくれてありがとう〟と思い出すから財布に大切に入れているんです」と明かしてくれた。

 自転車競技経験がない適性試験で競輪学校(現養成所)に入学した石川。自転車のことが分からず右往左往している時に親身にアドバイスをくれたのが三谷で「自転車の乗り方など何でも教えてくれた」。5歳差の同期はすぐに意気投合。同じ夢に向かい厳しい鍛錬を乗り切った〝戦友〟の絆はそこから芽生えた。

 そんな2人が2月23~25日の松戸で久々の再会。熱く語り合う姿があった。石川がまたがる自転車はグリーンのフレーム。緑色がイメージカラーの三谷にもらった大切な愛車だ。震災から12年。感謝と友情がきょうもバンクを駆け抜ける。

 ◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の39歳。06年スポニチ入社。予想では調子、ラインの結束力を重視。今年は紫波(岩手)、泉崎(福島)、境川(山梨)などの自転車競技場へ足を運びたい。

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