各地で自慢の剛脚を披露している高橋晋也。あの武田豊樹を輩出した現・武修館高等学校(釧路緑ケ岡)出身で、スピードスケートで鍛え上げられた身体能力は特出ものだ。在校時には200㍍、400㍍の独走タイムで1位に輝いているように、天性のダッシュ力を武器に現在は競技の方でナショナルチームBにも所属している。
一方、競輪の方ではわずか23走でS級に特別昇級を果たしている。113期に比べて粒ぞろいの印象もある115期生だが、その中でも間違いなくトップクラスの脚力を備えていると言える。戦う舞台がS級に上がってからも勢いは止まることはない。S級初陣となった11月佐世保ではいきなり決勝に駒を進めると、続くいわき平でも連続優出を果たす。年末の京王閣決勝では岩本俊介らを相手に最終ホームで豪快にカマすと、末良く押し切ってS級初Vを達成した。
それでも高橋は自身のスタイルをつらぬいている。「S級の競走はスピードが違う。勉強中の身で、いつも自分の中で課題を持って走っている」。おごることなく挑戦者の立場として一歩ずつ進化を遂げている。「自分の競走に集中して」と臨んだ松阪決勝では、中部勢の二段駆けに屈したがあくまで真っ向勝負をした結果。仕掛け損じはなく、常に全力を出す姿勢でレースに臨んでいるのも好印象だ。次走は初めてのGⅢ競走になるいわき平記念(23日~)。地元ということもあり、いやが応でも気合が入るシリーズとなるだろう。現状ならV争いにも期待。勝手知るホームバンクで自慢の剛脚を披露して、S級のトップクラスとも互角以上に渡り合う。(栗林幸太郎)
【記者コラム】若手最有力の剛脚・高橋晋也
2020/1/22