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【記者コラム】菊地〝時代〟に合わせてもう一花

 89期の在校成績1位・菊地圭尚(41=北海道)は数々の名勝負を繰り広げ、北日本全盛の一時代を築く立役者となった。そんなヒグマのような大男は今、時の流れを感じている。

 04年のデビューから、わずか4カ月でS級に特進。07年にはオールスターでビッグ初の決勝進出、ヤングGP制覇。間違いなく超一流だ。06年のGP覇者・有坂直樹(64期=引退)は引退時に「恵まれました。伏見を筆頭に山崎、一成(渡辺)、新田、圭尚。北日本の自力が凄かった」と活躍の要因に菊地の名前を挙げた。同期、同郷の明田春喜も2度の記念制覇は菊地の番手。明田は「圭尚のおかげで蔵が建っている」と話す。ただ菊地は現在、ビッグ戦線からやや離れている印象だ。脚力や年齢の問題ではなく、そこには〝時代〟の壁がある。

 「作戦が一つあって、それに当てはめるように組み立てる。でも、その展開にならないと仕掛けられなくなってしまう。自分と感覚が違う」。幾度となくラインに貢献してきた菊地だからこそ言葉の重みが違う。若手を批判しているわけではない。「コロナの影響で7車立てにもなって…。時代ですね。時代。でも、これから主役になっていくのは平成、令和生まれの子たち。自分たちが合わせないといけない」。ここに超一流を感じた。〝どれだけ俺が…〟とあぐらをかくことはなく、自分が適応していくというスタンスだ。

 ビッグ戦線に向けて「戻らないといけないと思っている」。さあ、もうひと華。GⅠの舞台。そして念願の地元記念制覇。そんな時代が必ずやってくる。時代に追いつく、いや、追い越す。圭尚が来るぞ!

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の26歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。愛犬の名前は「ジャン」。競輪祭は同級生の吉田拓矢のVに感動。ただ、GP次点となった山口拳矢も同級生で複雑。

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