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【記者コラム】親孝行のナイスガイ中田に注目

 今回の卒業記念、127回生の自治会長も務めた中田拓也(28=広島)にも相当な破壊力があった。決勝には進めなかったが、初日の1走目で1着を獲るとカメラを構える記者たちに「ナカータでーす!」と決めポーズ。「声がデカいと自負しています。競輪界自体を盛り立てたい」と底抜けに明るく、そして真面目。とにかくナイスガイだ。

 15年から自転車にまたがると、わずか半年で地元のロードチームに所属。海外のプロツアーにも参加し、23年にヴィクトワール広島に移籍すると同チームに所属する吉本哲郎(84期)に誘われ「可能性がある」と思い競輪選手を目指した。養成所成績は目立たないが、競走訓練で先行し着外の回数は1位。これは果敢に攻めた勲章といっていい。「元々長距離をやっていたので、地脚を武器に中国地区を代表する先行選手になります」と鼻息は荒い。

 選手を目指したのは自分の可能性だけではない。「母の治療費を稼ぎたい。母はSLE(全身性エリテマトーデス)なんです。僕を生む前からで。難病で治ることはないと言われている。もしかしたら恩返しできる期間は短いかもしれない…。できる限り頑張りたいんです」と話してくれた。強く、優しく、明るく。ナイスガイ中田の選手生活と親孝行にも注目したい。

 ◇中田 拓也(なかた・たくや)1996年(平8)6月3日生まれ、福岡県出身の28歳。県立門司大翔館高卒。卒業記念レースでは開会式で宣誓も務めた。1㍍77、83㌔。血液型A。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。

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