6月30日が最終日の立川FⅠ。将来性十分な若手がA級戦を盛り上げた。まずは117期の貴志修己(きし・おさむ=25、和歌山、写真)。立川バンクは初めて。初日は正攻法に構えると突っ張り先行を敢行。ぐいぐい踏み上げて危なげなく逃げ切った。前回の大垣で3連勝を決めており今回も完全VならS級も見えて来るが「今はまだそういう時期ではない。レースで力を出し切る。それで結果がついてくればいい」としっかりしたビジョンを持っている。
初日に貴志にマークした小西誠也(44=三重・80期)は強烈な踏み上げについていけず4着に終わったが「今年で選手生活24年。レース中に〝待ってくれ〟と声が出たのはこれが2回目。あっちゃん(柴崎淳=三重・91期)に付いた時以来。自分の物差しで測ればあっちゃんくらいの選手になれる。それぐらいの能力がある。これ大きく書いておいてよ」。6月13日、福井GⅢで5度目のGⅢVを決めた柴崎淳を引き合いに出して高く評価した。ただ準決では捲りに回され不発の6着ともろさも露呈。自分の形に持ち込めばとにかく強い。来期もA級で戦うことになるが、すぐに特進のチャンスは訪れるはずだ。
藤井侑吾(26=愛知・115期)は今回、完全VならS級昇級。きょう1日からS級に上がるが「特進で上がった方が見栄えがいい。勢いもつく」と3場所連続完全Vを意識していた。だが、決勝は岸沢の先捲りに屈して2着止まりで特進はならず。この悔しさは初のS級戦となる地元の名古屋FⅠ(5~7日)で晴らす。
◇狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の57歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰した。取材する機会の多いミッドナイト競輪は競走得点順に。「何番車ですか?」と尋ねられることもなくなった。
【記者コラム】”柴崎淳クラス”先輩太鼓判の貴志
2021/7/1