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【記者コラム】閉場から12年…花月園は憩いの場に

 あの日に飛び交った歓声や罵声は無邪気な子供たちの笑い声に変わっていた。

 10年3月31日、花月園競輪場(横浜市鶴見区)が60年の歴史に幕を閉じた。その跡地が鶴見花月園公園(写真)として21年11月に開園。花月園の〝レガシー〟がどんな形で後世に受け継がれたのか。花月園のラスト開催以来、12年ぶりに訪れた。

 まず最初に驚いたのが最寄駅。京急線「花月園前駅」は、20年3月14日から「花月総持寺駅」に改称されていた。ちなみに花月園とはかつて競輪場の場所にあった遊園地の名称。駅から丘の上にある競輪場へ向かうには上り坂があり、競輪開催時は高齢ファンのために無料バスが坂下で待機していた光景を思い出した。ノスタルジックな気持ちになりながら歩くこと数分。鶴見花月園公園に着いた。

 広大な土地につくられた公園はバンクを思わせる楕円(だえん)型。1周400㍍は花月園の周長と同じだ。競輪の名残を発見してうれしくなった。芝生の広場は解放感たっぷりで防災設備もある。ブランコ、ジャングルジムなどの遊具に加え、健康器具も設置。各世代がくつろげるエンジョイパークへと生まれ変わった。

 昭和から平成までは南関地区の活気にあふれた競輪場。それが令和の時代は市民の憩いの場へと姿を変えた。芝生を駆け回る子供たちから未来の競輪選手が誕生したら…、それも一つのドラマになると思い描いた。

 ◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の38歳。06年スポニチ入社。予想では調子、ラインの結束力を重視。取材で感じたメンタルが及ぼすレーススタイルの変化も推理に生かしている。