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【記者コラム】阿部将大 九州復活のキーマン

 16日が決勝戦の高松宮記念杯競輪(GⅠ)は、北井佑季が初のタイトルを獲得してグランプリ出場権を手にした。決勝戦のレースは表彰式の撮影のためバンク内で観戦したが、ゴール後に落車した北井へ向けてのコールは凄かった。Jリーガーからの転身、先行に徹し、努力でつかんだVにファンの共感は大きかった。

 これでGⅠを制してのグランプリ出場は郡司浩平、平原康多、北井佑季。獲得賞金では古性優作、清水裕友、岩本俊介がリードする。北井がGⅠを制したことで、今後のビッグレース戦線は、北井が先頭の南関ラインが有利になることは間違いない。

 高松宮記念杯は東西対抗なので、各地区の強さがハッキリと出る。苦戦と思われた中部地区だが藤井侑吾の白虎賞進出もあり収穫はあった。対して九州地区は北津留翼、荒井崇博、野田源一の準決勝止まり。次代を担う嘉永泰斗、伊藤颯馬らの若手選手は予選で敗退と残念な結果に終わった。

 かつての九州は中野浩一、井上茂徳、吉岡稔真がタイトルを量産し、王国を形成していた。それが中川誠一郎の19年高松宮記念杯以来GⅠVは途絶えている。九州浮上のキーマンとしての活躍が期待されるのが阿部将大(28=大分)だ。9日の函館で3度目のGⅢVを飾り、今年すでに6Vと成長は著しい。今活躍する同世代の選手のような絶対的なスピードは感じないが、補って余りある位置取りの確かさと抜群のレースセンスがある。22日の高松FⅠでも中国勢の二段駆けをものともせずに捲りVで好調をキープする。

 「今後は大きなレース(サマーナイトフェスティバルGⅡ、オールスターGⅠ)が続くので、決勝戦に乗れるように」

 勢いマックスで九州を引っ張る激走は必至だ。

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