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【記者コラム】雪で悲喜こもごも…抽選から古賀初V

 毎年、この時期は雪による開催順延に悩まさせる。14年には前橋で3日間、順延した挙げ句に開催が打ち切りになった。ドームで天候に左右されるはずはないのだが、大雪で道路が遮断され選手宿舎から競輪場までバスで選手を運ぶことができず、最終的には宿舎の食料が尽きたのだ。
 
 1月の西武園ミッドナイト(26~28日)の2日目。レース開始から徐々に雪が強まり、何とか前半4Rまでは開催できたが、後半の5~7R、チャレンジ準決は打ち切り。決勝へ進む7選手は抽選によって争われた。7人が参戦していた115期は全員が力通りに初日予選をクリア。準決での同期対決に燃えていただけに拍子抜けの表情。抽選で決勝に進んだのは古賀勝大(28=和歌山)、蒋野翔太(24=徳島)の2人だけ。抽選勝ちの2人と抽選負けの5人に分かれて何か気まずそうな雰囲気。古賀は「正直、走りたかったし複雑な気持ちだけど。せっかくのチャンス。初優勝を狙っていきます」と話した通り、最終ホームでカマした蒋野をきっちりかわし初Vを決めた。
 
 前回別府で完全Vを決めていた松坂侑亮(21=神奈川)は3場所連続完全Vでの特昇が懸かる大事な2場所目が雪で水を差される格好に。ただ、今回はノーカウント。西武園の最終日も勝ち、続くいわき平(7~9日)でも完全Vで目下、8連勝中。兄はS級1班の松坂洋平(37=89期)で南関期待の大型先行選手。昨年9月、武雄で誘導員早期追い抜きで失格(4カ月斡旋停止)、雪で打ち切りなど時間はかかったが次回、地元の小田原(14~16日)でチャレンジ卒業だ。(狩谷 牧生
 
 ♤狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の55歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。ミッドナイト競輪では初めて会う西日本の選手を取材して新鮮な刺激を受けている。

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