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【記者コラム】骨折、復活V…中本は伊東がドラマの地

 今年最後のGⅢ・伊東記念が開幕。伊東記念のサブタイトルは「椿賞争奪戦」。椿賞の由来は「椿は伊東市の花木であり、伊東市にある小室山(こむろやま)は2月下旬から3月にかけて椿が見ごろです」(伊東競輪開催執務委員長・福西淳氏)にある。

 競輪歴20年以上のファンなら思い出すだろうが伊東記念の開催時期は2月下旬から3月上旬が定位置だった。まさに椿が見ごろ。当時は〝伊東記念を走ってダービー〟がトップ選手のローテーション。94年3月にS級18連勝を飾った吉岡稔真氏(福岡・引退)も伊東記念から静岡ダービーに向かった。ちなみに吉岡氏が4回、神山雄一郎が3回、伊東記念を優勝している。

 記念競輪が前節3日、後節3日開催から4日制1開催に変更されたのが02年4月。伊東記念は04年に12月に実施、11月開催も2回あったが09年からは12月開催が続いている。

 伊東競輪場で初めてビッグレースが行われたのは99年10月の「ふるさとダービー」。後に東西王座戦東王座戦を2回、サマーナイトFを1回、共同通信社杯を2回開催している。

 今回の記念には20年9月の共同通信社杯を優勝した中本匠栄、1着失格に泣いた山田英明、九州勢の先頭を走った山崎賢人が出場している。中本はラインの山田が失格だっただけに笑顔なしの優勝シーンだったが「伊東が相性の悪いバンクでなくなった」の言葉が記憶に残る。

 中本は17年9月の伊東最終日に落車、頸椎(けいつい)の第5骨骨折のケガ。それ以来のに出走になった伊東でGⅡ初優勝を飾ったのだ。20年は賞金ランキングも15位に位置した。「もうワンランク上を目指そうという気持ちが強くなった」ことで着実に上昇している。

 地元の主役・深谷知広をはじめ注目ルーキー・中野慎詞が出場する今年最後の記念は見どころ多いシリーズになる。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の60歳。慶大卒。87年4月入社、同5月から競輪記者。以来、現場取材一筋36年、伊東も36年連続取材。市内の雀荘、パチンコ店、飲食店はほぼ把握してる。

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