14日からの前橋FⅡナイター開催で1、2班昇班初戦だった森田一郎が、いきなり完全優勝を飾った。8月に京王閣、向日町、立川とチャレンジで3場所連続完全優勝を飾り特別昇班を決めたばかり。これで12連勝、4場所連続完全優勝となった。森田は125期の卒業チャンプで、ナショナルチームのBチームにも所属している逸材。昇班初戦にもかかわらず、前検日からかなり気合が入っていた。
最初は「いつも通り静岡のCSCで練習してきました。今回も気負うことなく平常心で挑みます」と言っていたが、話を聞くうちに徐々に熱くなっていった。「3、4日前まで胃腸炎にかかっていた。目標にしていた全日本選手権に1㌔タイムトライアルでしか出られなくて、悔しい思いをした。競技は終わったので競輪で結果を出すしかない。監督へのアピールのためにも、S級特昇を狙うつもりです」と語った。
初日11R予選は前受けから引いて7番手から打鐘発進で逃げ切った。「流れを見るように師匠に言われているので引いた。車間が詰まったところで自然と車が出た。初日はいつも緊張するけど今日は落ち着いて走れた」と振り返った。
2日目の準決はホーム6番手から捲って勝利。上がりタイムは9秒4だった。「あのぐらいの位置からの仕掛けだったら9秒台前半じゃないと。まだまだです。しっかり上に合わせる競走をしたい」と勝ってかぶとの緒を締めていた。
そして決勝は前受けから引いて5番手。9秒5で捲って決めた。次回は26日からの平塚。どこまで連勝を伸ばすか注目したい。
◇森田 一郎(もりた・いちろう)2001年2月1日生まれ、埼玉県出身の23歳。24年5月、125期生としてデビュー。杉戸農時代から自転車競技を始める。朝日大へ進学し22年国体ケイリン1位。師匠は山信田学。1㍍71、71㌔。
◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年生まれ。愛知県出身の56歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。今年4月に26年ぶりに現場復帰。