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【記者コラム】GI初参戦元Jリーガー北井に期待!

 期待に北井。違う、北井に期待。23日に高知で開幕する今年初のGⅠ、全日本選抜競輪。元Jリーガーとしても知られる北井佑季(33=神奈川・119期)がついに最高峰の舞台に登場する。デビューから1年9カ月での参戦に北井は「意識していたわけではないが早い方がいいとは思っていた。うれしいしワクワクしている」と胸の高鳴りを隠せない。

 1㍍69と決して恵まれた体格ではない。しかし、松本山雅などJリーグで9年間、活躍した屈強なフィジカルは輪界でもトップクラス。その馬力を生かしたド迫力先行で今回、GⅠ切符をたぐり寄せた。「基本は主導権を奪いたい。ラインで決まるには、それが一番いいと思っている」。愚直な先行はラインを生かすため。思考もすっかり競輪選手だ。

 そこに柔軟性が加わった。〝北井に先行されたら捲れない〟。ライバルは何とか強敵を後方に置いた。以前はその包囲網を無理やり突破。主導権を奪うも、脚を消耗して敗れた。それが最近は状況に合わせて捲りに構え、きっちり勝ち切るようになった。「もちろんラインで決めたい。ただ、全部が全部自分が先行とは思わないようになった」。トップだけの9車立てでは、なおさら好きにさせてもらえない。成長した走りならGⅠでも、と期待させる。

 郡司浩平、深谷知広。静岡記念ワンツーの2人を筆頭にした〝南関時代〟はすぐそこまで来ている。郡司の1つ上で深谷と同学年の北井はラストピースだ。それを証明するのが今回か。「最前線のレースなので恥ずかしくないレースをしたい」と意気込んだ。

 最後に「何回も言われてきました」と本人が苦笑いするフレーズでエールを送る。北井に期待!

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の27歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。先週の関東圏の雪は前橋の「ドーム」に助けられた。

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