「第19回サマーナイトフェスティバル(SNF)」は松浦悠士(32=広島)の同大会3連覇で幕を閉じた。ナイター競輪発祥の地・函館でSNFが開催されたのは5回目。今のファンには日常のナイター競輪だが、25年前(98年7月ナイター初開催)には画期的な一歩だった。当時の函館施行者、関係者の努力が現行のナイター競輪の礎となった。
第1回SNFが開催されたのは05年8月。当時のビッグレースは昼間開催。当然トップスターがナイターを走ることはなかった。背景には夜間に車券発売を実施する場外が少なく、売り上げに不安があったのだ。そこで「真夏の夜の短期決戦」の2日制(9レース制)でスタート。初日はオール予選で1着のみが決勝進出という勝ち上がりだった。
SNFも回を重ね15年の第11回大会から現行の3日制になった。その10年間にナイターの場外発売が拡充したこと、SNFがGⅡとして定着したことによる。
現行のSNFは番組の勝ち上がりがいい。初日予選は1~2着と3着2人が準決勝進出。この勝ち上がりはポイント制と違い、シンプルに車券推理ができる。〝車券が外れても迫力があるし面白い〟と思わせる。
あと3日制で勝ち上がり方式がいいのは12月28~30日のグランプリシリーズのS級戦。昨年の初日予選は1~2着が準決勝進出、2日目準決勝はSNF同様に1~3着が決勝進出。
SNFは今大会で売り上げ目標額を達成しており現制度がいい。SNF直後に私が感じたことは「S級9車の3日制開催」の魅力。
現在、ナイター記念を開催する場はナイターGⅢをほぼ開催している。これはナイター記念実施当初、売り上げが伸び悩んだことで〝ナイター記念場はGⅢも1開催〟としたことによる。ナイター記念はSSが参戦する以上、現行の4日制が当然。一方、トップスターが手薄のナイターGⅢは3日制で試す手もあると思う。
◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の61歳。慶大卒。87年4月入社、同5月から競輪担当。以来、現場取材一筋37年。デビュー戦(59期生以降)から見てきた選手で最強は神山雄一郎、最速は吉岡稔真。