3月に競輪選手養成所を卒業した125期(男子)71人、126期(女子)19人が5月にデビュー戦を迎える。中でも注目を集めているのが仲沢春香(23=福井、写真)だ。養成所順位はトップ、卒業記念レースはガールズ8人目となる完全Vを達成した。
「(自転車)競技を経験していないので自分の立ち位置が分からず、入所したころは、そこまで思い描けなかった」
高校から5年間はボート競技に専念していた。日本代表に選ばれ18年アジアジュニア世界選手権シングルスカルで2位に入るなど活躍したが、その後は成績が伸び悩んだ。
「実業団でボートをやっていたけどイップスになって…。会社と競技を辞めました。2週間後に高校の顧問の先生に報告した時に競輪を勧めてもらいました」
養成所に入所すると、いきなり記録会で好タイムを出した。3回ある記録会では2度のゴールデンキャップを獲得している。
「タイムが伸び悩んだ時期があったし、右肩上がりだったとは思っていない。養成所は自転車以外に悩むことがない。凄く向き合えた期間だった」
養成所の競走では逃げ切り回数1位。当然ながらデビューしてからは自力で勝負していく。
「どういう展開になっても対応できる選手になりたいけど、まだ自転車の経験が少ないので。自力でシンプルなレースになるのかな。お客さんに信頼されて愛される選手になりたい」
目標とする選手は同県の先輩の柳原真緒(26)。18年の卒期クイーンで22年にガールズグランプリ女王に輝いた。仲沢も同じ道を歩むのか期待は膨らむ。デビュー戦は5月3~5日の富山でのガールズ新人戦。強い走りで競輪人生の第一歩を踏み出してもらおう。(亀田 克也)
【記者コラム】126期 仲沢春香 間もなくデビュー
2024/4/30