史上初のグランプリスラム!今年最初のGⅠ「大阪・関西万博協賛 第40回全日本選抜競輪」の決勝戦が24日、愛知県・豊橋競輪場で行われ、脇本雄太(35=福井・94期)が捲った寺崎浩平を差して優勝。賞金4190万円(副賞含む)と誰よりも早く「KEIRINグランプリ2025(平塚)」の出場権を獲得した。また、これで脇本は史上5人目のグランドスラム(全GⅠ制覇)とグランプリも含めたグランプリスラムを達成。94年にGⅠが6つになってからのグランプリスラムは史上初めての偉業だ。

輪史に名を深く刻んだ。脇本が昨年の競輪祭に続きGⅠ連続V。グランドスラムにリーチを懸けてからの一発ツモで偉業を達成した。そして、同時に史上初めてGⅠ6冠+グランプリの〝グランプリスラム〟をやってのけた。脇本は「みんなに言われて、期待も分かっていたし、プレッシャーもあった。でも、それに応えることができて良かった」と晴れ晴れとした表情で話した。
頼れる後輩が後押しした。決勝は近畿6人。盟友・古性とは別線となり、練習仲間でもある寺崎の番手だった。構える形になったが、「本当に心強い後輩。信じていた」と全幅の信頼。最終バックから後輩が連日の爆風を切り裂いて捲ると必死に続いた。最後はゴール前でかわし、ワンツーという最高の形。「(寺崎は)初速も凄かったし、バックが向かい風だったが、凄い伸びだった。成長が凄いなと感じた。競輪祭も寺崎君のおかげだし、本当に感謝している」と後輩をたたえた。
今回は持病の腰痛が悪化し、1カ月の欠場明け。「治療だったり、練習不足も含めてキツい状態での戦いかなと思った」と脇本。万全とは言えなかった。そんな中での大偉業。支えたのは近畿の仲間だった。「本当に近畿の仲間たちに助けられた。仲間たちのおかげで獲れた」。二次予選は12人全員が準決に進み、そして決勝も6人が勝ち上がり別線で戦った。地区の層の厚さが支えになった。
これで早くも平塚GPが確定。次なるターゲットを聞かれると、「1人でも多く近畿勢がグランプリに出られるように頑張りたい」と力強く話した。また偉業を達成した日本一の快速男。これまで以上に近畿帝国を引っ張っていくに違いない。
◇脇本 雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平元)3月21日生まれ、福井市出身の35歳。県立科学技術高卒。08年7月プロデビュー。通算成績は976戦410勝。主な優勝はオールスター(18、22年)、寛仁親王牌(18、20年)、日本選手権(19、22年)、高松宮記念杯(20年)、競輪祭(24年)、全日本選抜(25年)。KEIRINグランプリ2022。1㍍80、72㌔。血液型A。
◆次走 優勝した脇本雄太はGⅡ伊東ウィナーズカップ(3月20~23日)、2着の寺崎浩平は取手FⅠ(3月10~12日)、3着の深谷知広はGⅢ名古屋記念(3月1~4日)。
▼グランプリスラム 全GⅠとKEIRINグランプリの7つ全て優勝すること。6つのGⅠ制度(1994年10月以降)では脇本が初めての達成となる。
◆売り上げ 今シリーズ4日間の総売り上げは105億677万4200円。目標の103億円を上回った。