防府競輪・GⅢ開設75周年記念「周防国府杯争奪戦」は最終日の4日、第12Rで決勝戦が争われ、4番手から捲った松本貴治(30=愛媛)が、地元記念7連覇を狙った清水裕友らを破り通算3度目のGⅢ優勝を飾った。4日間の売り上げは63億7887万6300円。目標額の58億円を上回った。
戦前の話題は〝清水裕の7連覇達成なるか〟一色と言ってもおかしくなかった。勝者も後に「それがあったから気楽に走れた」と振り返ったほど。オリンピアン太田が地元の雄を背に突っ張り先行に出たが、中団から鋭く捲った松本貴がこれをのみ込んだ。約7年前にデビューした地で3度目のGⅢ制覇を飾った。
「防府は走りやすいし、展開が向いてくれた。仕掛けてからは思った以上に車が進んだ。正直、優勝できるとは思っていなかったのでビックリしています」
初手で中団を確保。前受けの太田が、後ろ攻めから早めに動いた吉田拓の上昇を阻んで残り2周前からハイピッチに。4番手で脚を温存していた松本貴に、いい流れとなった。今回は3番手回りに始まり、自力戦、番手戦もこなした。
「どこを回っても、そのラインの力になれるように頑張りたい」
オールラウンダーが今年最後のGⅠ競輪祭、来月に控える地元の松山記念でも暴れる。(本間 正則)
◇松本 貴治(まつもと・たかはる)1993年(平5)12月22日生まれの30歳。愛媛県出身。111期生として2017年7月に防府でデビュー。GⅢは7月の佐世保ミッドナイト以来、4日制GⅢは21年1月の松山記念以来、3年10カ月ぶり2度目のV。1㍍72、80㌔。血液型O。
◆次走 優勝した松本貴治、2着の小岩大介、3着の武藤龍生は、小倉GⅠ競輪祭(19~24日)。