佐世保競輪のライブ配信でアシスタントとして活躍する山下萌香さんが本紙のインタビューに応じた。選手へのインタビューや配当金の読み上げなどを行い日々競輪を勉強中。たまに出る長崎の方言のイントネーションが飾らない人柄を表し、ファンのハートをがっちりつかんでいる。佐世保競輪を盛り上げる地元の〝アイドルアシスタント〟に競輪の魅力を語ってもらった。(聞き手・小野 祐一)
長崎弁出ちゃう |
――競輪の世界に飛び込んだきっかけは。
「(ガールズケイリン選手の)山口伊吹さんの弟と友達で、それから佐世保競輪場に来始めたんです。その頃たまたま佐世保競輪がアシスタントのオーディションをしていて、以前から地元長崎に貢献したいと思っていたので受けたら受かりました(笑い)」
――アシスタントを務めて約10カ月。振り返ってどうか。
「まだ思ったようにできていません。方言も抜けないし。ずっと長崎に住んでいるので方言が出ちゃうのは諦めてます(笑い)」
――選手へのインタビューも行っている。
「以前は競輪のルールが分からなかった。事前に聞く質問を決めていたからレース内容にほとんど触れなかったけど最近は選手の話を聞きながら質問することができている。ちょっと成長したかな」
数字が苦手です |
――失敗談は。
「14人全員のインタビューで全部噛んでしまいました…。大きい配当を読み上げるのも難しい。私、数字が苦手です(笑い)」
――若者視点で競輪の魅力は。
「以前はスマホで競輪を見ていましたが、画面越しで見ていたら伝わらないことがいっぱい。風を切る音、選手の声なんかがそう。競輪を知らない人には賭け事よりもまずスポーツとして見てほしい。現地でライブ観戦すれば魅力が伝わってくると思いますよ」
小野俊之が好き |
――競輪を理解し始めて気付く面白さは。
「この仕事をし始めてからラインの絆が分かった。それで優勝すると勝手に感動しちゃいます。横の動きがあることも知らなかったので、その凄さが分かってきた。だから小野俊之選手(大分=77期)が好き。若い頃を見たかったな。番手に小野選手がつけば心強いんだなって分かります」
――23日から佐世保記念競輪が開幕。地元の推し選手は。
「地元選手はみんな頑張ってほしい。その中でも井上昌己さん。グランプリも勝った凄い人。まだ会ったことがないけど、記念の前検日インタビューで初めてお会いするので緊張してます」
――年に一度のお祭りレースに全国からファンが来場。お勧めする佐世保競輪の楽しみ方は。
「ぜひ場内の食堂に足を運んで下さい。おいしいですよ。私が食べたちゃんぽんは、けっこうなボリュームで値段もお手頃。店員さんも親戚みたいに親しみやすい感じです。私ならタオルやTシャツなどのグッズを買って場内を歩きますね。ライブ会場みたいになるけど。佐世保競輪は可愛いグッズも多いですよ。車券も買って楽しんで下さい」
ガールズ山口伊吹がエール 「話を毎回楽しみにしている」 |
山下萌香さんと親交があるガールズケイリン選手の山口伊吹(長崎=116期)からエールが届いた。
同じ長崎出身で親交がある山口伊吹(左)とVサイン
萌香ちゃんとは3年前に弟の野球を通じて知り合いました!初めて萌香ちゃんを見たときに凄く綺麗で大人びている印象だったので、ツンツンした子なのかなと思っていたら全く違って、むしろ萌香ちゃんの方から「伊吹さん伊吹さん!」と寄ってきてくれるほどよく話してくれる可愛らしい子でした。
その頃から競輪にも興味を持ってくれて、私が佐世保で走る時は見に来てくれたり遠征の時はお家でかかさず応援をしてくれていたみたいで…だから萌香ちゃんが佐世保でのお仕事が決まった時はうれしくてうれしくて。初めてテレビの中に萌香ちゃんが映った時は興奮してしまって動画と写真をたくさん撮りました(笑い)。
それにしても上手ですよね。決まった言葉を言うだけでも見ている人に伝わりやすいよういろいろと工夫していると思うんですけど、その上、中継では振られた言葉に対してすぐに自分の考えを言うって、本当に大変なお仕事だと思うんです。それを毎回楽しそうにしているから私まで中継を見ていて楽しい気持ちになれちゃう。私の他にもきっと佐世保の中継や萌香ちゃんの話を毎回楽しみにしている方は沢山いると思います。萌香ちゃん、お仕事にしたいと思えるほど競輪を好 きになってくれてありがとう。いつも中継を楽しみにしとるけんこれからも萌香ちゃんの笑顔をたくさん届けてください。応援しています。(PS・佐世保のスタッフさん、平尾昌也さん、萌香ちゃんはすごく歌が上手だと弟に聞きました。いつか中継で少し聞きたいな)
郷土愛が仕事への原動力 |
○…長崎生まれ長崎育ちの山下さん。郷土愛こそが仕事への原動力だ。「地元がとっても大好き。住みやすいし食べ物もおいしい。住むとなったらやっぱり長崎です。だから地元に貢献する仕事がしたいとずっと考えていました」。あふれる地元愛が魅力の一つ。ライブ配信で耳にする長崎弁はご愛嬌(あいきょう)だ。