古性が2回目のGP制覇――。「KEIRINグランプリ2024」は30日、静岡競輪場で行われ、脇本雄太の逃げに乗った古性優作(33=大阪・100期)がゴール前で追い込んで優勝、賞金1億4000万円を獲得した。古性のグランプリ優勝は3年ぶり2回目で〝静岡GP連覇〟となった。古性は今年の獲得賞金額が3億8311万円となり、年間獲得賞金額の最多記録(従来の記録は脇本雄太の3億584万円=22年)を更新した。
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最後も主役はこの男だった。オールスター、寛仁親王牌を制し、競輪祭以外のビッグレース全てで決勝進出。今年の輪界を引っ張ってきた古性が2度目のグランプリ(GP)制覇。初めてGPを勝った静岡で再び頂点に輝いた。「本当に脇本さんのおかげで優勝できてうれしい。静岡は走っていて気持ちがいいし、勝てそうだなって思わせてくれますね」
近畿勢は初手で中団を確保。大方の予想通り北井が先行態勢に入ると、真杉が3番手を狙う動きに出てペースが緩んだ。「初手の位置、並びも作戦通りだったし、あの叩き方なら〝あそこで脇本さんが勝負に行く〟でした」。事前に描いたシナリオ通り脇本が猛然とスパート。「(脇本は)ホームから1コーナーにかけて、勝手に口が空いていくくらい凄いカカリだった」。単騎勢を含めて誰も仕掛けられないハイピッチで最終4コーナーを迎え、2度目のGPVロードを駆け抜けた。
「脇本さんの仕上がりが凄かったが、自分も前日の夕方の指定練習で久々に仕上がったなと。今年一番の感触でしたね。走る前から楽しみだった」と古性。GPの優勝を知る近畿2人が、ここ一番で最高の状態に高め、きっちりと力を出し切った。この時点で勝負ありだったのかもしれない。このVで年間獲得賞金の公営競技史上最高額を大幅に更新した。
「今年は寺崎(浩平)君や窓場(千加頼)君の力が一段も二段もアップして、近畿の強さを見せることができた。自分も近畿の仲間に助けてもらって、こういう結果を出せた」2度目のGP制覇で、目標とする前人未到のGPを含むダブルグランドスラムへ大きく前進。「燃え尽きない限りは頑張ります」。さらなる高みへ、輪界最強の古性の進撃は終わらない。(本間 正則)
◇古性 優作(こしょう・ゆうさく)1991年2月22日生まれ、大阪市出身の33歳。私立清風高卒。11年7月プロデビュー。通算成績は1093戦347勝。通算取得賞金は12億8094万円。主な優勝は第64、67回オールスター(21、24年)、グランプリ2021、2024(21、24年)、第37、38回全日本選抜競輪(22、23年)、第73回、74回高松宮記念杯(22、23年)、第32、33回寛仁親王牌(23、24年)。1㍍68、77㌔。血液型O。
◆次走 優勝した古性優作は和歌山記念(1月10~13日)、2着の清水裕友は立川記念(1月4~7日)、3着の脇本雄太は大宮記念(1月16~19日)。
▼脇本雄太(3着)中団は理想だった。がむしゃらに踏んでいたので後ろは分からなかったが、古性君を信頼していた。自分の中では納得のレースができた。
▼郡司浩平(4着)援護できず申し訳ない。脇本さんにやられました。悔しい思いは来年の平塚グランプリにぶつけたいと思う。
▼新山響平(5着)最終ホームで郡司君との並走が気になり脚が削られた。その分ゴール前で伸びず。来年はラインで戦いたい。
▼岩本俊介(6着)さばかれて悔しかったが、最後の最後まで戦うことができたのは応援のおかげ。
▼平原康多(8着)飛びつく作戦はなかったけど(真杉は)下げられない感じになった。自分は力不足。
▼北井佑季(9着)これが今の力ですね。悔しいレースでした。今年より1個、2個成長した姿を見せられるように。来年の平塚グランプリも出たい。