暮れの大一番「KEIRINグランプリ2020」が30日、平塚競輪場で行われる。優勝賞金1億340万円をかけた頂上決戦。出場する9人のグランプリ戦士たちが27日、同競輪場に集結した。東京五輪が来年に延期となりナショナルチームの新田祐大(34=福島)と脇本雄太(31=福井)は金メダルの代わりに初のグランプリ制覇を目指す。きょう28日は3連覇を狙う〝女王〟児玉碧衣(25=福岡)らが激突する11R「ガールズグランプリ2020」(優勝賞金1005万円)をメインに1~10RでオールS級のFⅠ「寺内大吉記念杯」が開催される。
本来なら東京五輪、世界中が注目する晴れの舞台で日の丸を背負って戦っていたはずの新田と脇本。オリンピックが延期され、大きな目標を失うことになったが、気持ちを切り替えて前向きに歩んで来た。新田は「今年は早い段階から競輪に集中することができた。オリンピックが延期されてもナショナルチームでの練習の内容自体は変わっていない。S級S班の責任としてグランプリには出なければいけないと思っていた」。GⅠを獲ってグランプリに出るという当初の目的を果たすことはできなかったが、し烈な賞金争いを勝ち抜いた。「どんな展開になるかは分からないが、他を圧倒するようなレースをしたい」と力を込めた。その新田にマークするのはディフェンディングチャンピオンの佐藤。「昨年も同じことを言ったが、自分の仕事は新田君にしっかり付いていくこと」。新田の強烈なダッシュにぴたりと続ければ、連覇のゴールが見えてくる。
一方の脇本は「オリンピックが延期され、その悔しい気持ちをぶつけた」ことが高松宮記念杯、寛仁親王牌の2つのGⅠタイトル獲得につながった。競輪祭で落車した影響が気になるが「普通に練習はできているし、練習では落車する前と同じくらいのタイムが出ている。戦える状態に戻っていると思う」と確かな手応えを明かす。平原がマークすることについて「とても光栄に思う。初めての連係になるがワンツーを決められるように頑張る」と力を込めた。(狩谷 牧生)
❶郡司浩平=競輪祭の優勝でいい流れで臨める。思い通りに調整して万全の状態。出るだけで終わった昨年とは違う結果を。自力。
❷脇本雄太=落車で小指を骨折、肩を脱臼したが今は普通の練習ができている。年々、勝ちたい気持ちは強くなっている。自力。
❸松浦悠士=(失格した)競輪祭以外はいい1年だった。自分のやりたいレースができている。清水君と話して自分が前で自力。
❹和田健太郎=この1年は出来すぎ。郡司君をはじめ層の厚い南関の自力選手のおかげで安定した成績を残せた。郡司君に任せる。
❺清水裕友=良かった前半より悪かった後半の方が印象に残る。いつもはすんなり並びは決まるが時間がかかった。松浦さんへ。
❻守沢太志=高いレベルをキープして走れた。後半は今までに経験したことのない緊張感の中で戦えた。新田―佐藤さんの後ろ。
❼平原康多=新型コロナの影響で走れなかった時期から練習も含め5回も落車して立て直すのが大変だった。じっくり考え脇本君へ。
❽新田祐大=いい環境の中でいいトレーニングができている。急激に良くなったという感じではないがじわっと上がっている。自力。
❾佐藤慎太郎=変なプレッシャーもなく安定した成績を残せた。連覇を目指して計画通りのトレーニングができている。新田君へ。
新田&脇本 金代わり初頂点 30日「KEIRINグランプリ2020」
2020/12/28