ニュース&記者コラム

清水 復活V GⅡウィナーズカップin松阪

 GⅡ「第5回ウィナーズカップ」の決勝戦は28日、三重県松阪競輪場で行われた。レースは松浦悠士の動きに乗った清水裕友(26=山口・105期)が抜け出して優勝、賞金2170万円を獲得した。清水のGⅡ優勝は20年7月のサマーナイトF以来2回目。また第9Rで行われた「ガールズケイリンコレクション2021松阪ステージ」は女王・児玉碧衣(25=福岡)が優勝、賞金215万円を獲得した。
 
 深谷の参入で勢いづく南関の郡司政権に、清水が松浦との黄金タッグで待ったをかけた。
 
 前を取った南関勢の後ろ、いわゆる前中団からの組み立て。後ろ攻めの古性―稲川が青板から動いて赤板過ぎに深谷を切ると、その上を高橋―守沢で通過。松浦は深谷を内に封じながら打鐘目がけてスパート。この動きを右肩越しに見た高橋がすかさず踏み込むと、打鐘4コーナーで番手守沢の口が開く。そのスペースにハマった松浦は、最終2コーナーで先捲りを敢行。最後は清水が番手絶好の流れをモノにした形だ。
 
 「松浦さんの動きだけ見て走りました。今までで一番うれしい優勝です。GⅠよりも?はい!」
 
 うれしさの理由は長い低迷期を経験したからだろう。昨年7月のサマーナイトF(平)以来のGⅡVは、GⅠにもヒケを取らない格別な味となった。
 
 「昨年はいろいろと試行錯誤したけど、我慢ができなくて途中で投げ出したりして…。気持ち的にもきつかった。でも今年に入ってからはトレーニングの成果がだんだんと出だした」
 
 手応えを感じ始めた清水は、当面の目標を昨年出場できなかった日本選手権に絞った。その矢先のVに笑顔が絶えない。優勝賞金の使い道は「車を買うか、人生初の借金を全額返すか。自宅近くに道場を建てたんです」。夢のある職業で頂点を目指すため、自分への投資も欠かさない。それが長州男児の心意気。清水の完全復活により、競輪界のパワーバランスはまたきっ抗ムードに戻りそうだ。(岡田 光広
 
 ♤清水 裕友(しみず・ひろと)1994年(平6)11月9日生まれ、山口県防府市出身の26歳。三田尻学園誠英高卒。14年7月プロデビュー。通算成績は502戦179勝。通算取得賞金は3億2371万円。主な優勝は第35回全日本選抜(20年)、第16回サマーナイトF(20年)、第5回ウィナーズカップ(21年)。1㍍66、82㌔。血液型A。
 
 ▼古性優作(2着)今日が一番感覚が良かった。バックから外を踏んだが伸びなかったので内しか…。
 ▼松浦悠士(3着)少し足りない分、2着に残れなかったが、今の状態で確定板に載れて自信になった。
 ▼山田英明(4着)位置を取ってレースをしようと。今後も単騎でもしっかり位置を取っていきたい。
 ▼稲川 翔(6着)僕より周りの方が冷静で焦りました。意識を上げていきたい。
 ▼守沢太志(7着)(踏み遅れて)完全に僕のミス。この反省を生かしたい。
 ▼高橋晋也(8着)ペース配分のミス。しっかり先行できたし収穫はありました。次につながります。
 ▼深谷知広(9着)失敗しました。最後のレースで力を出し切れなかった。
 
 ▽次回出走予定 優勝の清水裕友と2着の古性優作は川崎記念(4月8~11日)、3着の松浦悠士は四日市記念(4月3~6日)。

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