玉野競輪場「第21回サマーナイトフェスティバル(GⅡ)」は21日、12Rで決勝戦が行われ、真杉匠(26=栃木)が最終バック2番手から抜け出し、吉田拓矢との写真判定を制しV。昨年の松戸大会に続く連覇で、優勝賞金3100万円を獲得した。真杉は3回目のGⅡV。2着は真杉後位の吉田で、3着は内を鋭く伸びた松谷秀幸。地元期待の太田海也は6着だった。

ゴール前は仲間でありライバルの吉田とギリギリの勝負。際どく写真判定を制し、真杉が昨年の松戸大会に続く連覇を飾った。
「最後は抜かれたと思いました。ハンドルを投げ勝った感じです」
レースは関東の先頭を走る佐々木悠が突っ張り先行で最高の展開になった。巻き返してきた太田を止めることはできなかったが、冷静に2番手をキープ。力強く突き抜けた。
意外にもこれが今年初Vだ。ビッグレースはおろか、記念でも決勝に進めないことが続いた。「ずっとふがいないレースが続いたので。今年はラインのおかげです」。自転車を含めてあらゆることの調整を続けた。今回も好調の言葉は出なかったが、関東の絆で太田のスピード、屈指の実力を誇る郡司を封じた。
このVで獲得賞金は1億円オーバー。グランプリの出場権をほぼ手中にした。「後半戦はしっかり自分が引っ張っていきたい」と気持ちを入れ直す。5月ダービーとは逆に吉田とワンツーを決めた。ますます関東最強タッグは強固なもの。完全復活を果たした男が、次回のGⅠオールスター(8月12~17日、函館)でも他地区の強豪をねじ伏せる。(緒方 泰士)
◇真杉 匠(ますぎ・たくみ)1999年(平11)2月1日生まれ、宇都宮市出身の26歳。作新学院高卒。18年7月プロデビュー。通算成績は598戦233勝。通算取得賞金は5億2114万円。主な優勝は第66回オールスター競輪(23年)、第65回競輪祭(23年)、第20、21回サマーナイトフェスティバル(24、25年)、第40回共同通信社杯(24年)。1㍍75、76㌔。血液型A。
◆次走 優勝した真杉匠と2着の吉田拓矢は京王閣GⅢ(26~28日)、3着の松谷秀幸は高知FⅠ(27~29日)。
▼吉田拓矢(2着)最後はかわしたと思ったけど、決勝に関東4人で乗れて、いい形で終われたと思う。
▼松谷秀幸(3着)とにかくキツかったけど、このメンバーで3着に入れたし、出来はいいのかなと思う。
▼坂井 洋(4着)あれが今の自分の位置だったので。(関東は)みんな頑張っていたし、自分もまた頑張る。
▼郡司浩平(5着)脚を使っても、と思って下げた。太田君の仕掛けにニュートラルで付いていければ…。
▼太田海也(6着)理想通りの展開。出切れたけど、あれで押し切れるようにならないとタイトルは獲れない。
▼和田 圭(7着)打鐘のところのダッシュが凄くキツかった。
▼清水裕友(8着)太田君が張られた時に力が抜けてしまった。情けない。
▼佐々木悠葵(9着)太田君が8番手にいる想定で踏んだけど、せめてBを取りたかった。