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【競輪選手養成所卒業記念レース】卒記チャンプは男子・三神、女子・岩元

 日本競輪選手養成所の第127回生68人(1人欠場)と第128回生20人の卒業記念レース2日目が3月5日、静岡競輪場で行われた。

 男子は三神遼矢(23=福島)、女子は岩元杏奈(23=宮崎)が優勝。卒業式は7日に行う。選手登録後、5月からプロデビューする。


福島からまたスター候補

三上 遼矢

「最後は必至」

 福島からまた新たなスター候補が誕生した。三神は最終ホーム過ぎに杉浦の番手にはまると、バックからライバルたちに合わせて力強く踏み上げる。そのままゴールまで加速し、卒記チャンプの座を獲得。「主導権争いには負けたけど、切り替えて自分の行けるところから行こうと思った。最後は必死だった。素直に凄くうれしいです」と喜んだ。

 中学3年時にツール・ド・フランスを見て自転車の道へ。高校、大学とロードに励んだが、日大2年時に先輩・橋本宇宙(123期)のアドバイスもありトラック種目に転向した。その素質は一瞬で開花し、国体でスプリント連覇。200㍍TTは127回生トップの10秒47をたたき出した。「ダッシュも持久力もそこまで強いと思っていない。向上心を持って地道に努力できるのが武器」とたゆまぬ努力で才能が磨かれた。

 127回生唯一のナショナルチーム所属。場内で見守ったナショナルチームの先輩・太田海也(121期)も「めちゃくちゃ期待の新人です!」と太鼓判を押す。夢は「世界選手権優勝と五輪でメダル。競輪ではグランドスラムです」。努力を続け日本の、世界の頂点にも立つ。(渡辺 雄人)

 ◇三神 遼矢(みかみ・りょうや)2002年(平14)1月5日生まれ、福島県出身の23歳。日大卒。主なアマ成績は22、23年国体スプリント1位、23年大学対抗スプリント1位。師匠は金成和幸(福島=88期)。1㍍82、85㌔。血液型O。

尾野は完全V届かず4着

 完全Vを狙った在所ナンバー1の尾野翔一は外を回されて4着。「流れに任せていた。悔しいですね。まだまだです。ああいう展開でも外から1着を獲れて本物だと思う」とサバサバと振り返った。

 卒業後は伊豆に拠点を移し、ナショナルチームと練習してパワーアップを図る。「先行もしっかりやって、どんな状況からでも1着を獲れるような圧倒的な脚力をつけていこうと思う」と意気込んだ。


岩元 宮崎初のクイーン

微差振り切った

 南国・宮崎から初の卒記クイーンが誕生した。前受けから冷静に3番手を確保した岩元。前の仕掛け合いを見極めた後、最終2センターから踏み込み、在所1位の酒井亜樹を微差振り切った。「思い通りのレースになった。最後は差されたかなと思っていたけど、まさか優勝できているとは。とてもうれしいです」と笑顔が弾けた。

 高校から自転車にまたがり、大学卒業後も27年宮崎国体を目指して宮崎スポーツ協会で働きながら努力を続けた。ただ「デスクワークに向いていない」と違和感を覚え、競輪選手養成所の門をくぐった。滝澤正光所長が直接指導するT教場に選出され、今年で退任する所長とともに汗を流してつかんだ頂点。「最後のT教場のメンバーとして優勝できたらと思っていた。最後に良い姿を見せることができてうれしい」と恩師に感謝した。

 那須萌美(114期)に次ぐ宮崎2人目のガールズ。目標は「宮崎で(競輪の)認知度が低いので選手になりたいと思ってもらえるような選手になりたい。身長が低い方なので走りは大きくしていきたい」と宣言。148㌢の大きな挑戦はまだ始まったばかりだ。

 ◇岩元 杏奈(いわもと・あんな)2001年(平13)3月9日生まれ、宮崎県出身の23歳。日体大卒。主なアマ成績は18年ジュニアアジア選手権チームスプリント2位、21年全日本U23個人ロードTT1位。師匠は四元慎也(宮崎=77期)。1㍍48、52㌔。血液型B。

酒井 強襲も2着

 ナショナルチームの酒井亜樹は直線で強襲するも、微差届かずの2着。「どうしても勝ちたい気持ちがあって最後に追い込めたらと。求めていた結果ではないし、構えたのに情けない」と、悔し涙をこらえながら表彰式に参加した。それでも養成所初の競走訓練で56走して着外0回という抜群の成績。「ロス五輪を目標にしているが競輪選手としても頑張りたい」と最後は力強かった。

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