ニュース&記者コラム

進化止まらない松浦V GⅡ第4回ウィナーズカップ

 GⅡ「第4回ウィナーズカップ」は29日、福井競輪場で決勝戦が行われた。レースは清水裕友の逃げに乗った松浦悠士(29=広島・98期)が番手まくりで優勝、賞金2180万円を獲得した。松浦のGⅡ優勝は初、ビッグレース(GⅡ以上)優勝は昨年11月の小倉競輪祭以来。また「ガールズケイリンコレクション」は児玉碧衣(24=108期・福岡)が最終B6番手からまくって優勝、賞金215万円を獲得した。
 
 打鐘で前を任せた清水が一気に主導権を握る。この時点で松浦のV確率は限りなく高くなった。まくって来た高橋のスピードは予想外だったが、最終バックでは自ら踏み込み、逆転は許さなかった。
 
 「いつもはファンの声が勝ったと教えてくれるんですが、今回は敢闘門に入る時に分かりました」
 
 無観客開催となって初のビッグレースは、勝者にとっても景色は違った。
 
 今年初のGⅠとなった2月全日本選抜競輪決勝戦では清水の前で主導権を握り清水のVにつなげた。しかし自身はゴール前で落車。とくに打撲した右肩のケガはひどく、日常生活でも支障が出るほどだった。それでも1場所欠場して挑んだ3月松山記念ではケガの影響を感じさせない動きを見せた。そして迎えた今シリーズの前検日には「前回よりも上積みがあると思う」と自信を持ってレースに集中した。
 
 「落車の経験を糧にしっかりと調子を戻すことができました」
 
 脚力だけでなく精神面でも成長を続ける。進化は止まらない。
 
 清水との連係はかつての平原康多―武田豊樹の最強関東ラインをほうふつさせる圧倒的な存在感だ。
 
 「清水君は頼れるし、頼もしい背中です。清水君とビッグをいっぱい獲りたいし中四国勢でグランプリに行きたい」
 
 東京五輪が延期になったことで、5月ダービーでは脇本雄太、新田祐大の参戦が予想される。受けて立つ松浦の走りから目が離せない。(緒方 泰士
 
 ♤松浦 悠士(まつうら・ゆうじ)1990年(平2)11月21日生まれ、広島県広島市出身の29歳。市立広島工業高卒。10年7月プロデビュー。通算成績は845戦228勝。通算取得賞金は3億755万円。主な優勝は第61回競輪祭(19年)。1㍍68、73㌔。血液型O。
 
 ◆次走斡旋 ウィナーズカップを制した松浦悠士の次走は平塚記念(4月9~12日)、2着の守沢太志は名古屋FⅠ(4月8~10日)、3着の高橋晋也は玉野FⅠ(4月16~18日)に出場予定。
 
 ▼守沢太志(2着)高橋君が強いまくりだった。最後は少し足りなかった。
 ▼古性優作(4着)松浦君が勝つべくして勝つレースにさせてしまった。あのピッチで脚を削られたし、自分の力不足です。
 ▼吉田敏洋(5着)自分で切ったらないなと思っていた。脚力不足です。
 ▼柏野智典(6着)松浦君が強かった。少なからず貢献できたのが救い。
 ▼和田健太郎(7着)東北勢が前を取ったので何かあるなと思って、後ろを取りに行ったけど…。
 ▼原田研太朗(8着)打鐘で一気にスピードが上がって、分かっていても離れた。ただきつかった。
 ▼清水裕友(9着)生半可な仕掛けでは突っ張られると思ったので、出切るところから勝負した。

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