日本競輪学校の男子第115回生(69人)と女子第116回生(第8期生、21人)の卒業記念レース決勝が19日、静岡・伊東競輪場で行われた。女子は在校成績2位の鈴木樹里(19=愛知)が優勝。愛知登録初の卒記クイーンに輝いた。男子は同2位の山本修平(23=東京)が優勝。97期の井上嵩以来となる東京登録の卒記チャンプの座に就いた。男子、女子ともにきょう20日、卒業式を行い、5月1日に選手登録。7月に各地でプロデビューする。
完全女王だ!!在校成績2位ながら第1回、第2回トーナメントを連勝した鈴木が卒記クイーンの栄冠も手にした。同期の祝福で予行演習を含め計6回宙を舞ったヒロインは「家族や師匠(小林信晴)が〝樹里~〟って叫んでくれた。とてもうれしかった」と満開の笑顔を咲かせた。
「最初から3番手狙い。前々の位置から得意のまくりで行こうと思った」。決勝は逃げ宣言の南、在校1位の山口の後ろを周回した。打鐘でカマした高木を南が突っ張り、先行態勢を築いたところでレースは終盤へ。まくるのは山口か、それとも鈴木かの局面。先に動いたのは鈴木だった。「1コーナーすぎから自分で行こうと決めていた」。抜群のダッシュで先頭に立つ。「脚の感じは良かったし、2センターすぎでいけると確信した」。Vゴールを突き抜けた。
選手を目指したきっかけは中学2年生の時にテレビで見たガールズケイリンの特集。深谷知広がOBにいる愛知・桜丘高に進学し自転車競技に没頭した。「瞬発系が得意なので」と競輪学校では得意のまくりで1着を量産。「デビューしてからもまくりで勝ちに行きたいし、先行も追い込みも全てできるように」。目指すは104期の卒記クイーン・石井寛子のような究極のオールラウンダーだ。
「身長が低いのは脚で補っていかないと。持久力がないので、とにかく追い込んでいきたい。大きな目標はガールズGP優勝。まずはデビュー場所で優勝できるように」。7月が今から待ち遠しい。
♡鈴木 樹里(すずき・じゅり)1999年(平11)10月28日生まれ、愛知県新城市出身の19歳。私立桜丘高卒。主なアマ歴は全国高校総体自転車競技大会インターハイ(17年)500㍍タイムトライアル2位。在校成績は49戦26勝、2着11回で2位。師匠は小林信晴(愛知・83期)。ホームバンクは豊橋競輪場。1㍍52、57㌔。血液型B。
シルバーコレクター返上だ。目の覚めるようなまくり追い込みでチャンプの座をつかんだ山本は「うれしくて声を出したらいけないけど出そうになった」と、ちゃめっ気たっぷりに話した。
「自力を出せずじまいになった」と反省するように、レースは最終バック4番手からまくった坂井を追走する展開。2センターで坂井が止まると、4角の山おろしを利用し外を踏んで突き抜けた。「外のコースが伸びることが準決勝で分かっていたので、そのルートをたどってゴールラインを目指した」。脚力と頭脳の勝利にしてやったりだ。在校成績は2位で「第1回、第2回のトーナメントで2位。みんなからシルバーコレクターと呼ばれたが最後の最後に勝てた」と喜びもひとしお。高校、大学と自転車競技を続け、選手を志すのは当然の流れだった。目標は〝先行日本一〟の脇本雄太。「すぐにS級に特別昇進できるように力をつけたい」と意気込んだ。
♤山本 修平(やまもと・しゅうへい)1995(平7)12月26日生まれ、千葉県市川市出身の23歳。日大卒。主なアマ歴は全日本学生選手権自転車競技大会(17年)1㌔タイムトライアル1位。在校成績は66戦27勝、2着16回で2位。師匠は山崎充央(東京・79期)。ホームバンクは立川競輪場。1㍍78、78㌔。血液型A。