初めてのナイターGⅠ「第60回競輪祭」は浅井康太(34=三重・90期)の優勝で幕を閉じた。人気を集めた脇本雄太(29=福井・94期)は残り2周から突っ張り先行を敢行して2着。史上5人目のGⅠ3連続Vは惜しくも、かなわなかったが敗れてなお強しを印象づけた。「太田(竜馬)の抑え方次第では突っ張ることが頭によぎった。(2周駆けは)度胸でしょう。3連続Vは自分でも期待していたのに」。GⅠの決勝で2周先行でまくらせなかっただけでもすごいが、個人上がり11秒1は驚きでしかない。6日間で5走しないといけなかった中でも疲れは全く感じさせず、偉業を達成できなかったことを悔しがった。
今年のGⅠを振り返っても脇本の強さが際立っている。2月全日本選抜は2次予選敗退だったが5月日本選手権決勝3着、6月高松宮記念杯は決勝2着。どちらも番手を回った三谷竜生が優勝した。8月オールスターで悲願のGⅠ初制覇、10月寬仁親王牌で連続V。8月オールスターの2次予選から競輪祭最終日まで12走連続で2連対を外していない。
KEIRINグランプリ(12月30日・静岡)も脇本が中心となるのは間違いない。唯一、気になる点を挙げるとしたらグランプリは初めてということ。初出場での優勝は過去32回(1989年は中止)で10回(初開催を含む)もあるが、ほとんどが追い込み選手。初出場で逃げ切ったのは99年の太田真一と01年の伏見俊昭しかいない。W杯で金メダルを獲得する世界のスピードがあればこんなデータも、あっさりはねのけてくれるだろう。(亀田 克也)