今年は初の試みとなるガールズグランプリトライアルが小倉競輪祭の前半3日間で行われた。賞金ランキング11位からトライアルBを制して勝負駆けに成功した梅川風子と賞金上位6人が、ガールズグランプリ(28日、静岡)出場を決めた。
過去6回の傾向では、1着の決まり手は差しが5回、捲りが1回。勝った選手はいずれも最終バックを3番手以内で通過しており、後方からの巻き返しは厳しく、好位置を確保した選手の直線強襲が目立つ。
なかでも注目したいのは賞金ランク1位の児玉碧衣だ。デビュー時から類いまれなパワーとスピードを武器に白星量産。同門で自身が目標に掲げている小林優香は競技の方に専念するなか、今年のガールズ戦線を引っ張ってきた存在だ。なかなか獲れなかったタイトルだが、今年8月いわき平でのガールズドリームレースを8度目の挑戦で制し待望の特別競輪初Vを達成。無冠の女王を返上してからは走り方にも自信が表れている。直前のトライアルAでは、最終バック6番手に置かれるも、冷静に捲り、力の違いを示してV。さらにパワーアップを果たしており、初出場で不完全燃焼で終わった去年とは違う。
グランプリ出場メンバーは昨年の覇者・石井寛子を筆頭に石井貴子(千葉)、高木真備、梅川、尾崎睦に地元の鈴木美教と強豪がそろったが、充実する今なら児玉の初戴冠もみえてきた。男子顔負けの豪快な仕掛けから、他を圧倒して〝真の女王〟になる。
♤栗林幸太郎(くりばやし・こうたろう)1983年(昭58)1月10日生まれ、東京都出身の35歳。高校卒業後、ジョッキーを目指して渡豪。競馬全般を学び、公営競技の道に。その後ボートレースと競輪の専門紙を経て、今年からスポーツニッポンへ。現在は中部地区で競輪とボートの担当をしています。