9連勝で特別昇級した河合佑弥(24、写真)が大宮で初のS級戦に挑んだ。「A級とスタイルは変えずに戦っていく。長い距離をもがける自分の持ち味を生かしたレースをする」と話していた通り、初日は打鐘先行。最後は番手の白岩にかわされ2着。S級初勝利はならなかったが「A級だったら押し切れていたと思う。負けた方がどうしたら1着になれるか課題が見えてくる。1着よりも価値のある2着だった」と話すように、志は非常に高い。
実力者ぞろいの113期の一員。宮本隼輔、松井宏佑、森田優弥が先にS級に上がっている。「でも、ほかにももっと強い同期はいる。負けないように頑張っていかないと」とライバルの活躍は大きな刺激になっている。毎日、そり上げているというトレードマークのツルツル頭は今後もこだわりを持って続けていくそう。「初日のレース実況で僕のことをミスタースキンヘッドと呼んでくれたんですよ」とまんざらではない様子だった。
ただ、S級の道のりは平たんではない。決勝を進出を狙った準決は初日と同じようなタイミングで仕掛けたものの、ゴール前で続々とかわされ6着。「出切る時に脚を使わされた分、粘り込めなかった。ただ2日間、走って分かったことも多い。勉強になる」と前向きだ。最終日は9Rに登場。「違うパターンの先行もしてみたい。できれば勝てるように」と貪欲にS級初勝利を狙っていく。
次回は同じ関東地区の西武園ナイター(15~17日)。大宮での経験を生かしさらに成長した走りを見せてくれる。
♤狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の54歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。ミッドナイト競輪では初めて会う西日本の選手を取材して新鮮な刺激を受けている。