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【記者コラム】若手をほんろうするいぶし銀の走り

 今年になり世代交代の動きが鮮明になってきた。23歳の太田竜馬がビッグレースで主役の走りを見せるようになり、FⅠでは太田より若い113期の選手が次々にS級初Vを決めている。新山響平、山崎賢人のパワーも強烈で、30日からのGⅠ日本選手権(松戸)では20歳台の選手が一気にタイトルを取ってもおかしくない勢力となっている。
 
 若い選手の活躍は楽しみだが、長く競輪を見ている人にはうれしいニュースがあった。3月20日は沢田義和(46・兵庫)が30人目となる通算500勝を達成し、4月10日には加倉正義(47・福岡)が地元の小倉バンクで通算500勝を決めた。沢田はデビューから26年、加倉は27年目の記録だった。
 
 両者ともにつねに第一戦で活躍してきた。さすがに全盛期の力こそないが、沢田、加倉ともにS級の地位をキープしている。とくに沢田はS級一班でトップクラスの20歳台の選手の先行をしっかりと差し切るのだから凄い。
 
 この両者にくわえて500勝まで残り一つとなっているのが高木隆弘(49・神奈川)だ。残念ながら今年1月からA級になってしまったが、これは実に28年ぶりのこと。どれだけS級上位で活躍してきたかがわかる。A級での走りを聞くと「ミッドナイトは楽しいですよ」と笑う。7車での慣れない走りにくわえ、デビューしたての顔も知らない選手との走り。決して楽な走りではないが気持ちは前向きだ。近いうちの500勝達成は間違いないとして、次のS級復帰へ向けての準備も欠かさない。
 
 そしてレジェンドの神山雄一郎(51・栃木)が今年3回の失格となったことも注目となっている。最大のピンチともいえるが、過去には何度も強い気持ちで復活を果たしてきた。神山ならやってくれるはずだ。若手の活躍はもちろん、ベテランのいぶし銀の走りがレースを盛り上げる。(緒方 泰士)