強い、強すぎる。「世界の脇本」が圧倒的なスピードで後続を引き離し、ぶっちぎりのパワーで3連勝を決めた。
「調子はレースを見ての通り。大丈夫だと思う」。心技体全てに充実する30歳は自信の表情だ。単騎で圧勝したGR賞は新車を試したが準決勝は元に戻した。
「自分としては100点満点ではない。まだ上積みできることはあるので修正したい」。この飽くなき向上心が強さの源だ。「決勝も持ち味を出せるように頑張るだけ」。33年ぶり8人目のダービー完全V(86年平塚の滝澤正光氏以来)とともに、21年ぶりのGⅠ完全優勝(98年一宮オールスターの山口幸二氏以来)の偉業へ大一番に挑む。
脇本の番手は古性。「去年のいわき平オールスターで(脇本と)連係を外してから意識して練習した」。リベンジに闘志を燃やし、直線での逆転に懸ける。
脇本相手にトップスピードで互角に渡り合える深谷は単騎戦。展開待ちになるが、レースがもつれれば一発がある。清水―松浦―原田で結束した「チーム中四国」はラインの力で脇本に立ち向かう。
90期以上が顔をそろえた決勝は平均年齢28・4歳。平成から令和へ、時代をまたいだ松戸ダービーは新時代突入を告げる究極のスピードバトルで王者が決まる。(小野 祐一)