フランスのグロとオランダのファンリーセン。危なげなく連勝で勝ち上がった欧州勢の一騎打ちムードが濃厚だった川崎ガールズ(25~27日)。強敵を倒して優勝を飾ったのは地元の佐藤水菜。最終ホーム過ぎに迷いなく仕掛け圧倒的な脚力を誇る外国人両者を破っての価値あるVだ。
無我夢中で走っていたデビュー当初に比べ、最近はいろいろ思い悩み本来の思い切りの良い走りが見られなくなっていたが、まだグロと同じ20歳。この勝利をきっかけにさらなる飛躍を期待したい。グロとファンリーセンはこれが日本最終戦。グロは13戦10勝、2着3回。ファンリーセンは13戦11勝、3着1回、5着1回。共に素晴らしい戦績を残した。
その一方でガールズ初参戦になるゴドビー(米国)はやや苦戦中だ。脚力はあるので向日町、立川で優勝したが西武園では②③❷と未勝利。安定感はない。現在、参戦中の前橋ミッドナイトでも初日に4着に敗れ波乱となった。
立川では2日目に初めて雨中のレースを経験。「絶対に滑らないと言われていたけど不安で不安で。後ろで落車があってパニックになって踏んだらいいタイミングの仕掛けになって押し切れた」と振り返る。仕掛けが遅いので決勝では奥井迪の先行をまくれないだろうと印を対抗に落としたが、うまく前々で立ち回って優勝するのだからよく分からない。意外性があるのできょう30日の前橋決勝では人気のハンセンを倒しての優勝があるかも。
♤狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日、神奈川県生まれの55歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。ミッドナイト競輪では初めて会う西日本の選手を取材して新鮮な刺激を受けている。
【記者コラム】苦戦中も意外性が魅力のゴドビー
2019/5/30