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【記者コラム】ハンマー投げ元日本王者に規則改正が追い風

 競輪の競技規則が5月31日を初日とする開催から改正されたのをご存じだろうか。1~4日の取手記念はルール改正後初のGⅢだった。先頭誘導員の早期追い抜きや危険行為などの失格基準が厳格化され、どの選手も手探り状態。現場で感じたのは誘導のペースが上がったことで戸惑った選手が少なからずいたことだ。
 
 新ルールでは1周で2秒程度速くなった。そうなると、後ろ攻めの選手は前を抑えるのにこれまで以上に脚を使わなければならず、前か中団のラインが有利になる。そんな中、どの位置からでも伸び伸び先行し、快進撃を演じたのが野口裕史(36=千葉)だ。初日は中団で周回し、後方から抑えたラインを打鐘で叩いて初日唯一の逃げ切り勝ち。二次予選Aは前受けで、上昇した原田研太朗を突っ張って押し切った。準決勝は7番手から抑え先行し3着粘走。1月大宮以来 2回目のGⅢ決勝進出を果たした。
 
 「自分で踏み上げるのが苦手なのでペースが上がっているのは合っているのかな」。抑える、突っ張るといったアクションを起こす際、以前のように「ガツン」と踏まずに済むという。「踏み出しが楽になった」と歓迎した。2日目から3日連続で連係した和田健太郎も「このルールは合っているんじゃないの」と太鼓判。ハンマー投げの元日本王者が新ルールを追い風にさらなる飛躍を遂げるか。
 
 競技規則の主な改正点を挙げると、400バンクの場合はこれまで残り2周半までに誘導員を追い抜くと失格となったのが、改正後は残り2周までに追い抜くと失格となる。前述の通り、前か中団、すなわちいい位置を取りやすい内枠がより有利とされ、「ボートレースのように枠番で車券を買う時代が来るかも」の声も。競輪がどのように変わっていくのか注目したい。
 
 ♤出田 竜祐(いでた・りゅうすけ)1980年(昭55)9月29日生まれ、熊本県出身の38歳。明大卒。05年スポニチ入社。芸能、サッカー、ボートレース担当を経て昨年4月から競輪担当。5月弥彦ミッドナイトの取材で南関東地区に続き関東地区の競輪場全場制覇。