平塚ダービーは山口拳矢のＧⅠ初優勝で幕を閉じた。犬伏湧也が捨て身で逃げ、清水裕友が番手捲り。香川雄介後位でじっくり脚をため、直線勝負に懸けた拳矢が結果に結びつけた。道中、脚をロスすることなく、あの位置を回れたのが最大の勝因だろう。父・幸二氏と同じように小柄だけど、自慢の瞬発力を見せつけた形だった。ニューヒーロー誕生に競輪界が盛り上がることを期待している。

　さて、こちら武雄は雨もあがり、好天に恵まれた。注目のＳ級特選は根田のカマシが決まった。番手の五日市にしてみれば絶好の流れ。大悟（林）はＢＳ向かい風だったのもあってか、踏み上げるのが一瞬遅かった。健一郎（大塚）がよくしのいで突っ込んできた。悪くない印象だ。

　さあ準決。10Ｒは根田の総合力が上位。一戸、久田を圧倒する。武田への❶❹から関東コンビの前残りで❶❷、❶❺。11Ｒは山根だ。特選は単騎で力を出せなかったが、ここはタテ脚一気。❸❺からヨコもやれる高橋との❸＝❼。仮に成松と山根がやりあったときは高橋が捲る❼＝❷。12Ｒは林が戦いやすい組み合わせ。健一郎との❶＝❼と好調塚本が突っ込む❼❺。本線で決まってほしい一番だ。（スポニチ本紙評論家・井上茂徳）