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【我が道 井上茂徳②】今でも私の可愛い後輩です

 今日が第2回。「我が道」スタイルなら幼少期や学生時代のエピソードなどを書く流れですが私は、やりたい放題(笑い)でいきます。本日2日は「第27回井上茂徳杯」(武雄競輪場)2日目。私の冠レースで毎年、解説を手伝ってくれているのが約50年近い付き合いになる佐々木昭彦(43期)です。では、昭彦との関係を少し書いていきます。

 彼は父も母も元競輪選手で兄弟3人ともに競輪選手(兄・和徳51期=引退、弟・浩三50期=現役A級3班)の競輪一家ですたいっ。

 昭彦とは高校時代からで私が(龍谷)高3の時に昭彦は武雄高校の1年生。自転車部同士で一緒に練習した時の印象?本当に純粋な青年でした(笑い)。ある時、昭彦のお母さんが喫茶店をやっていたので、私は当時インスタントコーヒーしか飲んだことがなく「昭彦ーっ、今度、合宿で練習する時に、豆で挽ひいたおいしいコーヒー持ってきて」と声をかけると翌日ポットに入れて、ちゃんと持ってきてくれたことを今でも覚えています。

 私も昭彦もプロの選手となりトップレベルで何度も一緒に戦いました。昭彦は43期生で同期生には怪物と言われた滝沢正光や、徳島工高から社会人野球でも活躍した人間機関車・富原忠夫がいたレベルが高い世代。昭彦が初めて特別競輪を優勝したのは1984年(昭59)第35回高松宮杯競輪(びわこ競輪場)。決勝メンバーは次の通りです。

第10レース優勝戦

❶①山口 健治(東 京)
❷②井上 茂徳(佐 賀)
❸③藤巻  昇(北海道)
❹④山口 国男(東 京)
❹⑤片岡 克巳(岡 山)
❺⑥佐藤 彰一(宮 城)
❺⑦中野 浩一(福 岡)
❻⑧国松 利全(岡 山)
❻⑨佐々木昭彦(佐 賀)

 長年の競輪ファンにとっては懐かしい顔触れでしょ。我々九州勢の並びは昭彦が「前で頑張ります」と言うので昭彦が先頭。中野さんが2番手。私が3番手。当時の車券は枠で連勝単式(6枠制)。人気は中野さんの枠から私。勝負どころで片岡―国松の岡山勢が前に出て、昭彦は先行する片岡の2番手を取りに行った。その後ろも併走。残り1周で私の前を走る中野さんが切り替えてきたヤマケンさん(山口健治)に外から押し込まれて落車。私も真後ろなので避けることができず落車。結果は昭彦が、逃げる片岡をかわして特別競輪初優勝!!私は担架で運ばれましたが、後輩の初タイトルですから落車の痛さよりもうれしくなり、控室にいた昭彦に「おめでとう」と握手した思い出があります。

 それからお互い現役を引退した後も解説で連携することが多く、今でも家族のような関係です。写真のおじさん2人、笑った時の顔が今も可愛いでしょ⁉

 1958年(昭33)3月20日生まれ、佐賀市出身の67歳。競輪学校41期生として78年5月デビュー。GⅠ通算9勝。KEIRINグランプリは3度優勝(86、88、94年)。代名詞は鬼脚。99年3月31日引退。通算1626戦653勝。優勝回数154回、獲得賞金15億6643万円。現在、スポニチ評論家として活躍している。

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