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【我が道 井上茂徳㉕】36歳で3度目のGP優勝

 前回、91年ふるさとダービー福井の巻でしたが、その前後、特別競輪の戦いを振り返ると90年全日本選抜(青森)、93年高松宮杯(大津びわこ)で優勝。これでタイトルは計9つ。94年、特別の優勝はなかったですが、KEIRINグランプリには獲得賞金4位で出場しました。メンバーは次の通り(※上から枠番、車番、選手名、登録地、期別、年齢)。優勝賞金3560万円(副賞含む)。

1❶神山雄一郎(栃木61期26歳)
2❷小橋 正義(岡山59期27歳)
3❸吉岡 稔真(福岡65期24歳)
4❹鈴木  誠(千葉55期29歳)
4❺井上 茂徳(佐賀41期36歳)
5❻高橋 光宏(群馬56期32歳)
5❼山田 裕仁(岐阜61期26歳)
6❽稲村 成浩(群馬69期23歳)
6❾滝沢 正光(千葉43期34歳)

 並びは数字(車番)で書くと❶②・❸⑤・❹❾・❽⑥・❼(※●数字が仕掛ける選手)

 若い世代がどんどん力を付けてきたころ。神山は93年の賞金王。(小橋)正義はこの年、日本選手権(静岡ダービー)優勝。決勝は三重の海田和裕(65期)が先行してオイ(私)が2番手、絶好の展開たい。正義3番手。直線で正義にかわされ、内から今、解説で頑張っている内林久徳(滋賀62期、当時30歳)にも抜かれて3着。悔しかー。この時の静岡ダービー6日間の総売上約430億円は現在も破られていません。(吉岡)稔真は同年後半の寛仁親王牌と競輪祭優勝。ツヨかー。この一言です。

 話はそれましたが、出場選手の中で一番の年長者でもオイがいい話をしていたんですよ。「今年最高と言える出来。GPに来てそれぐらいのコメントが言えないとダメでしょ。優勝できそうな気がしてきたなあ(笑い)」

 直前練習はもちろん、立川へ入る前には地元で天然のスッポン料理を食べて、血もワインで割って景気付け。食生活の面も調整はバッチリ。記者さんを和ませつつ、ファンにもアピール。「負けれんばいっ」

 レースは理想通りの展開。稔真が残り1周、最終ホーム手前で一気に駆けて2番手絶好。そのまま最終バック(残り半周)を迎えます。稔真と一緒走っていると彼は最終4コーナーあたりで負けたくないという一心で少しヨコに振る癖が…。それも分かっていたので余裕を持たせつつ直線を迎えました。オイが2番手から差して優勝。正光が中を割って2着。年齢順で入り2人足すと70歳のワンツーでした(※枠単4―6 4760円、GPだけの売上約90億円は当時レコード)。

 今振り返れば3度目のGP優勝が一番、楽でした。88年以来6年ぶり。うれしかー。先行してくれた稔真に感謝です。 

 1958年(昭33)3月20日生まれ、佐賀市出身の67歳。競輪学校41期生として78年5月デビュー。GⅠ通算9勝。KEIRINグランプリは3度優勝(86、88、94年)。代名詞は鬼脚。99年3月31日引退。通算1626戦653勝。優勝回数154回、獲得賞金15億6643万円。現在、スポニチ評論家として活躍している。

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