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【記者コラム】進化遂げた〝南関の重戦車〟野口裕史

 学生時代から始めたハンマー投げで日本選手権優勝等の実績を誇り、類いまれな身体能力で競輪界入りした野口裕史。17年7月にデビューすると徹底先行で白星を重ね、18年9月にS級特別昇級を果たした。
 
 昇級後も仕掛けに迷いなく、ダイナミックな攻めから別線を封じるさまは、まさに〝重戦車〟。今年8月にはオールスター競輪で特別競輪デビュー。成績こそ振るわなかったが「すべてをかけるつもりで出し尽くす」の意志を貫き4日間すべて先行して着以上に奮闘。9月共同通信社杯では一次予選通過は成らなかったが、2日目以降は221着と大活躍。「周りが見えて落ち着いて駆けることができた。収穫も大きい」。特別競輪を経験したことで、さらに厚みを増した。自慢の脚力も強化、大舞台で結果を出し自信をつけた。
 
 直近の岐阜記念では準決敗退も、二次予選で先行してライバル山崎賢人を撃破。「長い距離を踏む準備はできていたので」。自信に満ちあふれた走りで111期のエースを封じ切った。来月(10月3日~)には千葉記念(松戸代替)も控えていて、照準を定めている。「スタイルを崩さずにどこまでアピールできるか」。身上であるド迫力の攻めをいかんなく発揮して、初の地元記念で一番星に輝く。
 
 ♤栗林幸太郎(くりばやし・こうたろう)東京都出身の36歳。高校卒業後、ジョッキーを目指して渡豪。競馬全般を学び、公営競技の道に。ボートレースと競輪の専門紙を経て、18年10月からスポーツニッポンへ。現在は中部地区で競輪とボートを担当している。

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