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【記者コラム】システム障害 選手には死活問題

 投票システムの障害により3、4日は全国各地の競輪が全て中止。丸2日、鐘の音を聞くことがなかった。ファン、選手、関係者とも前代未聞のアクシデントにほんろうされた。

 

 当時記者は伊東ミッドナイトを取材。3日は午後5時40分ごろに「開催可能」と選手に伝えられたが、システムが復旧せず2日目からの中止、打ち切りが決まった。ウオーミングアップを開始していた選手たちは困惑。現場は混乱した。

 

 このシリーズでガールズの大本命だった尾崎睦は苦虫をかみつぶしたような表情で「仕方ない…」。賞金ランク8位(9日現在)。3年連続でのガールズGP出場へ一円でも多く稼がねばならない状況だっただけに、予期せぬ中止は精神的ダメージが大きい。

 

 同じくチャレンジのV候補だったルーキーの谷和也は「初日予選の1走だけで終わると平均競走得点が下がる」と肩を落とした。

 

 目下17連勝で2連続完全V中だった高橋晋也は、3日の西武園A級決勝で特別昇級に挑み115期最速でS級レーサーになるはずだったが、次開催に持ち越し。賞金や競走得点に影響を及ぼすことは選手にとって死活問題だ。

 

 松戸で行われた千葉記念は2日順延で開催。前橋寛仁親王牌(11~14日)に出場するレーサーが20人参加(小林泰正、蕗沢鴻太郎は初日に家事都合で当日欠場)しており、おそらく初体験となる中1日でGⅠへ参戦するはめになった。短い準備期間で心技体が整えられるのか。疲れは取れるのか。強行日程の選手はシビアに〝消し〟の車券戦術もありだろう。

 

 システムダウンが売り上げダウンにつながることは言うまでもない。安心して車券を買える〝日常〟は戻ったが、システム障害の余波や波紋は各方面に広がるかもしれない。

 

 ♤小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の35歳。06年スポニチ入社。競輪取材歴は大阪本社で2年、東京本社で11年。スマホを片手にミッドナイト競輪を購入するのが日課。得意レースは徹底先行が不在の敗者戦。

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