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【記者コラム】太田竜馬 スケールアップして躍動

 層が厚くなった中四国地区。その中でも原動力として第一線で輝きを放つのが太田竜馬だ。今年は高松で記念初Vを達成すると、勢いは止まることなくウィナーズカップで優出。その後も全プロ記念でV、地元の小松島記念では完全優勝を達成して躍動。オールスターでは失格の憂き目もあり、その後プチスランプに陥ったが、実力を証明するかのごとく岐阜記念でVを飾って返り咲いた。
 
 「まだまだ実力では(GⅠを)獲り切れないと思う。全体的に伸ばしていかないと」
 
 今年3度目の記念Vを達成するも、安堵(あんど)の表情は一切なく、ただ前だけを見つめているのが印象的だった。それでも岐阜ではそれ以前の高松、小松島とは違い初めて逃げ切っての記念優勝となり、着実に自信を得ているだろう。
 
 太田自身もこの一年で大きく成長している。昨年から取り入れたウエートトレーニングの効果で、パワーアップは顕著。それまでは捲り一辺倒のレースが多かったが、脚力強化と伴い航続距離が伸びたことで仕掛けに迷いがなくなった。それを印象付けるのが玉野記念と松山記念の決勝だ。いずれも打鐘前から主導権を奪ってレースを支配。ゴール前では末脚が甘くなったが、後位のVに貢献。献身的な走りとレース内容が光った。脚力だけでなく、組み立て面でも成長しているのが見てとれる。
 
 寬仁親王牌では二次予選敗退に終わったが、着実にスケールアップしている。特別競輪でも新時代の旗手としてドラゴン旋風を巻き起こし、タイトルを奪取することも現実的になってきた。今後ますます本格化するエースから目が離せない。(栗林 幸太郎)

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