「グランプリ2019」の車番が決定、大一番まで1カ月を切った。85年に開始されたグランプリは今年で34回目(89年は開催中止)を迎える。第1回は優勝賞金1000万円の一発勝負で〝暮れのお祭りレース〟。だが優勝者が中野浩一(福岡=引退)、井上茂徳(佐賀=引退)、滝沢正光(千葉=引退)と続きレースに箔(はく)が付いた。
また優勝賞金は95年に5060万円となり、GⅠ最高峰にランクされるダービー(95年=3300万円)を大きく上回った。95~98年の立川グランプリで神山雄一郎(栃木=61期)が4年連続2着に敗れたことも暮れの大一番は〝神山の悲願〟として話題を集めた。
今年のグランプリも見どころは多いが、その中で7年連続10回目の出場を決めた平原康多(埼玉・87期)も注目の一人。過去に10回以上の出場歴を誇るのは6人しかいない。神山の16回を最高に村上義弘(京都=73期)が11回で続き、滝沢、小橋正義(新潟=59期)、吉岡稔真(福岡=65期)、武田豊樹(茨城=88期)が10回。グランプリに10回以上出場して優勝がないのは過去に神山1人。今年10回目の平原はどうか?。記者の車券購入額が多い平原の走りもまた輪史に残る。
「平成を振り返る」は平成19年(07年)。1月小倉競輪祭と12月熊本全日本選抜は山崎芳仁(福島=88期)が優勝。「車輪がスーッと出て行く感じ」という山崎ならではの表現で強さを見せつけた。3月平塚ダービーは有坂直樹(秋田=64期)が優勝。06年のGP覇者は面白いように車が伸びていた。6月高松宮記念杯と7月前橋親王牌は07年のMVP・小嶋敬二(石川=74期)がGⅠ連覇。9月高知オールスターは飯嶋則之(栃木=81期)が初タイトル。そしてグランプリ07は伏見俊昭(福島=75期)が6年ぶり2回目の優勝。そして賞金王に輝いた。
♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の57歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に倉岡慎太郎(熊本)ら59期生のデビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋32年。平成19年一番の思い出ビッグは12月の熊本全日本選抜。
【記者コラム】10回目グランプリ〝平原の悲願〟果たして
2019/12/5