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【記者コラム】5車結束が好きになった思い出のレース

 1月26日決勝のいわき平記念は北日本勢の5車の結束でGⅠ9勝の実績を誇る「地元エース」の山崎芳仁(福島=88期)の優勝で幕を閉じた。2着も兄弟子の佐藤慎太郎(福島=78期)で2車単、3連単ともに1番人気の決着だった。
 
 4日間を通して車券で戦い続けマイナス状態なら〝取り返せない…〟一戦になるが決勝戦だけに絞り、メンバー構成、レース展開を推理すれば〝山崎が押し切るか?GP優勝で勢いがある慎太郎が差すか?〟に車券の強弱をつけるレースだった。この買いやすさが車券の売り上げにつながる。
 
 長い間、車券を買い続けると自分の好きなレース展開、相性のいい選手、逆の選手など各々〝買いパターン〟がある。私の好きなレースは5車の結束、番手まくり、競りがあるレース。競走形態、ルールの変更もあるが、好きなパターンを持つと車券はより楽しい。
 
 5車の結束が大好きになった思い出レースは平成7年(95年)6月の高松宮杯決勝。関東勢は神山雄一郎(栃木=61期)を先頭に格と実績も考慮して5車で結束。5番手を固めた高橋光宏(群馬=引退)の「先頭は神山君。レースは今回だけでない。切り替えなしの5番手です」の言葉が耳に残る。結果は神山の優勝で2着が戸辺英雄(茨城=引退)。2車単は1番人気の決着だった。ちなみに高橋はその年の9月の熊本オールスターで優勝を飾った。
 
 昨年は平成から令和に変わる節目の年で「平成を振り返る」を掲載、平成19年(07年)まで振り返った。翌平成20(08年)はグランプリ優勝が井上昌己(長崎=86期)、2着が平原康多(埼玉=87期)。2人の名前で分かるように今もトップで活躍。「振り返る」というより現在進行形。8日から始まる令和2年初のGⅠ「全日本選抜」は誰が記録に名前を刻むか注目される。
 
 ♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の57歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に関根幸夫(神奈川=引退)ら59期生のデビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋33年。好きなレースは5車の結束、番手まくり、競り。

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